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包装未来宣言2020

あの「リーマンショック」の直後に創刊し、「3・11」を経て不思議なときのリズムのなかで生かされてきたことを実感します。陰に陽に支えてくださった皆さまへの感謝とともに、ここで2020年以降の未来を見すえて、あらためて「包装」というモノづくりの旗幟を鮮明にしておきたいと思います。

それが「J PACKWORLD」との旗を掲げ荒海に船出した本誌の役割であり、皆さまおよび包装産業への恩を報ずるものとなると思うからです。もちろん包装のフィールドだけに止まるものではありませんが、不思議なときのリズムはかつてない価値観の転換を促しています。

その転換の基となる「考えは?」といえば、「行き詰まれば原点に戻れ!」との原点回帰の言葉が思い出されます。過去を否定して希望の未来は開けません。ときは連続性の絶えない流れであり、それは「根ふかければ枝さかへ、源遠ければ流長し」との言葉が表わしています。

その転換の節目に、奇しくも2020年の「東京オリンピック・パラリンピック」開催との目標が天から与えられました。

新たな価値観への転換に向けて、あらゆるモノゴトが一斉に動き始めたといってよいでしょう。「価値観」である以上は、主体的な意志の働きはわれわれにあり、「動かし始めた」というべきかもしれません。それは「前の状況よりも、平和で幸福な社会を築く道を選び取るべき」との意志でなければなりません。

これらを踏まえ、包装のフィールドで主体的な意思を発現し、これからの価値創造の旗幟を「包装未来宣言 Beyond2020」として鮮明にしておきたいと思います。それを3点に集約し明示しますので、心ある包装人および企業、団体・組織にご賛同を頂ければ幸いです。

1.生きるための「包装」

「豊かさ・楽しさ」「安全・安心」「ユニバーサル」

モノづくりの基本は一対一にあり、とくに「包装」は中身の保護をはじめ、目の前の人への思いやりの表れたものでなければならない。それは、相手の心を温かく包み込む行為であって、それが包装を通じて感じとれることが大切である。単に「市場調査」などによるニーズの把握や対応ではなく、より深くウォンツを感じ取るセンスを働かせなければならない。 もはや「包装」はライフラインの一つであり、「安全・安心」や「ユニバーサル」といった視点は欠かせないものである。その上で、とくに日本人のセンスの表れた「豊かさ・楽しさ」との要素がより重要性を増してくるに違いない。「包装に魂を込めよ!」である。

2.社会のための「包装」

「エコロジー」「もったいない」「パートナーシップ」

「包装は文化」といわれる所以である。「Package」を「pack」+「age」から「時代を包む」と解する人もいるが、 包装はよく時代性を映すものである。それは生活や慣習に深く根ざし、地域性をよく映すからである。人類が最初に包装として認識したのは「瓢箪」といわれるが、それは生命の源である「水」を運ぶ道具として用いられたものに違いない。

人の身体の60%以上を水が占めているわけだが、その意味では人も水を運ぶ包装である。引いていえば地表の約70%を水が占める、地球も水の包装といえる。そう考えれば、地球環境はもとより社会とは不可分の関係性にあり、それは強まることはあっても弱まることはない。

「水は方円の器に従う」というが、その意味で「包装」の主体性を発揮した役割はいまだ未開拓である。中身に対して保存や輸送、販促など与えられた役割だけではなく、主体性をもって中身に関わっていく役割である。酸素吸着などの機能を「アクティブ」と呼ぶが、おいしさや健康といったことまで積極的に関わってゆける包装機能が「アクティブ」である。

社会性といったことでは、包装設計にリサイクルなど 「エコロジー」の視点は外せない。「エコロジー」には自然に学ぶ"共生"を志向した資源循環の考え方がある。これまでの「環境対応」といった受け身的な思考ではなく、資源循環を上手く生かすという主体的な思考が必要である。

また「もったいない」は欧米的な「合理性」「効率」といった思考とは一線を画すものがある。むしろ手間暇をかけることを重要な価値とするゆえに、それをムダにしない"プレ思考"である。言いかえれば「もったいない」は結果への対応ではなく、準備における思考である。

問題や課題は常に現場にあるもので、その解決に不可欠なものが垣根のない「パートナーシップ」である。もはや社会は複雑で多様であり、単純一様に対処はできても解決できる課題はない。もし互いのエゴが先に立てばパートナーシップなどはない。そこに必要なのは「for society」「for people」といったエゴを乗り越えた目的に立てることである。

3.未来のための「包装」

「イノベーション」「差異に学ぶ」「経験重視の教育」

過去と断絶した現在などないように、未来は現在を包含している。ゆえに未来を見通す目に現在の問題や課題が見えていないわけがない。生活とは「今を生きる」ことであり、目の前の課題や問題と真剣に向き合い、その根本解決に向けて真摯に取り組んでいくことである。

「未来のための包装」とは「今を生きる包装」との異名である。その上で、イノベーションに必要なモノ(素材や技術、道具、製品など)はすべて出そろっている。あとは「課題先進」との言葉に象徴される、現場の課題をどうテコにしていくかに尽きる。そのために必要不可欠なのは人である。

いつの時代もイノベーションに必要な強力なエンジン(推進力)となるのは青年である。それを支えて生かす豊富な「知恵」と「経験」を有するのがシニアであろう。世界に先駆け直面する大きな社会課題である超高齢社会は、まさしくイノベーションの礎ともなりうるものである。

そこに問題があるとすれば、「青年は推進力となりうるのか?」と「青年を支えうる『知恵』と『経験』のシニアなのか?」である。もはやカネではない。ヒトとモノのグローバリゼーションのなかで、互いの差異(国や人種、性別、年齢など)に学びながら、それぞれの立場で、ともに主体性を発揮した人材となりうるのかが問われているのだ。

私たちは宣言に賛同します。

  • 光洋自動機株式会社
  • サタケ
  • 株式会社 協進印刷
  • 竹本容器株式会社
  • 共同紙工株式会社
  • 山崎産業株式会社
  • 株式会社コマック
  • 不双産業株式会社
  • 日本包装機械株式会社
  • アルマーク株式会社