DIC:国内印刷インキ事業統合
2009.09.24
DICは、大日本印刷(以下、DNP)と合弁会社「DICグラフィックス」を設立し、DNPの子会社であるザ・インクテック(以下、インクテック)とDICの国内印刷インキ事業を継承する合弁契約書を締結した。代表取締役社長執行役員には、現DIC常務執行役員の沖寛冶氏が就任する。2009年10月1日の設立で資本金1億円、年間1100億円程度の売り上げを目指す。
国内の印刷インキの需要は2006年にピークを記録したが、デジタル印刷やインターネットのさらなる普及、少子化などの進展により、今後低迷が予想されている。また、ここ数年の原油・ナフサの高騰に端を発する各種印刷インキ原料の高騰は、DICとインクテック両社の収益を圧迫してきた。
このような状況を鑑み、3社は2008年12月から国内印刷インキ事業の統合(以下、事業統合)に向けた協議を重ねてきた。同事業統合は、DICとインクテックのノウハウや経営資源を統合することで事業の効率化を図り、厳しい事業環境下でも、持続的に事業を推進できる強靭な企業体質の実現と競争力の強化を目的としたものである。
同事業統合は、DICの国内印刷インキ事業およびインクテックの印刷インキ事業を対象とする。国内印刷インキ事業では、DICは高い技術力と品質で評価され、特に顔料や合成技術には優れている。またインクテックは、新聞インキおよびオフセット輪転インキなどで上位のシェアを獲得しており、顧客要望に合わせた分散・配合技術に優れている。この両社の強みを一体化し、高い品質と競争力に優れた新製品の開発ならびに安定的な供給体制の実現を目指す。