宇都宮大学:高品質輸送システムの開発
2009.09.24
栃木県の宇都宮大学(宇都宮市)が中心となり、いちごの果実をつぶさずに光で品質を把握するとともに、新たな包装資材・技術の開発により、生産地から店頭までの一貫した物流網の確立で、いちごを傷めることなく消費者に届けることができる流通システムを研究開発する。高品質輸送に向けた緩衝包装資材の開発ではレンゴーが参画する。宇都宮大学を中核研究機関として、当社のほかJA全農をはじめソフト開発会社、光検査技術開発会社など9社・団体が参加するとともに、農林水産省の「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」に認定される。
いちごは果肉が軟らかくデリケートで傷つきやすいなど、梱包や輸送が難しい果物。そのいちごの品質を光技術によって客観的に計測することで品質アピールを可能にするとともに、輸送・包装面では、果実の硬さ(硬度)とトラックや航空機で輸送する時の傷みやすさとの関係解明や、果実同士がぶつかり合って傷むのを防ぐ包装形態の開発、さまざまな輸送条件下におけるシミュレーションなどを行い、品質上の問題が流通網のどこで生じているかを管理・把握するシステムの開発も行うものである。
いちごという果実単品に着目して流通網全体を検証する取り組みは全国でも珍しく、いちごの新たな高品質輸送技術が確立されれば、国内のみならず、海外に日本産いちごをアピールするためにも大いに役立つものと考えられる。レンゴーでは、これまでいちご輸送の分野でも長年にわたって包装ノウハウを蓄積しており、段ボールが持つ商品を優しく包む緩衝性や、容易な加工性を応用した「いちごパック宙吊りトレイ」など、振動・衝撃緩衝包装の研究開発を進めてきた。今回の共同研究でも、同社のそうしたパッケージング・ソリューションの技術やノウハウが高く評価されたものである。