テトラパック:植物由来PEを試験的に導入
2009.11.30
テトラパックは、植物由来の高密度ポリエチレン(HDPE)を試験的に導入する意向で、ブラスケム社※と限定的に購入する契約を締結した。同契約は、紙容器業界でのグリーン・ポリエチレンの導入に向けた初の試みとなる。今契約によりブラスケム社は、プラスチックキャップと開口部の生産用として、2011年から年間5000トンのHDPEをテトラパックへ供給する。供給量は、テトラパックの高密度ポリエチレンの総需要のほぼ5%に相当し、プラスチック総購入量の1%弱となる。
テトラパック・グループの社長兼CEOのデニス・ヨンソン氏は、「この試みは、グリーン・ポリエチレンの導入に向けた最初の小さな一歩ではありますが、持続可能な資源利用の取り組みにおける大きな前進です。また紙容器に再生可能資源を利用するための新たな方法を模索するという、当社のコミットメントを裏付けるものでもあります。」と語っている。
また、ブラスケム社のCEOであるバーナード・グラディン氏は、「従来のポリエチレンに代わる実現性の高い再生可能な原料を、テトラパックをパートナーとして供給できることを光栄に思います。テトラパックのグローバル・サプライヤーとして、長期にわたるパートナーシップの新たな一歩であり、我々の持続可能な開発に向けたコミットメントを示すものでもあります」と語る。
こうした背景から、ブラスケム社では世界初となる商業規模のグリーン・ポリエチレン工場(ブラジル南部)の生産を2010年後半に開始する予定で、テトラパックへの第1回目の出荷を2011年初頭に見込んでいる。新工場では、サトウキビ由来のエタノールからエチレンを作り、エチレンを重合してポリエチレンを製造する。この製法は、従来のポリエチレンの製法に比べ、温室効果ガスの排出量を全体的に削減すると予測されている。
※ブラスケム社は2002年、持続可能な開発への貢献に関する公式なコミットメントを発表し、国連環境計画(UNEP)が提唱する「クリーナー・プロダクションに関する国際宣言」に調印したブラジル初の企業。2005年以降、ブラジルの証券取引所の持続可能指標の対象銘柄(ISE Bovespa)に選定され、同社の生産工場(18の工場)は、すべてISO 14001 認証を取得している。ブラスケム社は今年、気候変動に関する参加促進運動を支持し、「気候変動に関するコペンハーゲン声明」に署名した。