サントリー:「和ガラス」展を開催
2009.12.18
サントリー美術館は、2010年3月27日から5月23日まで、「和ガラス--粋なうつわ、遊びのかたち--」展を開催する。江戸から明治にかけて、様々な物がガラスで作られ、生活の隅々に浸透していった様子をご紹介する。粋で、遊び心一杯の「和ガラス」が多数展示される。会場の吹き抜けスペースでは、今では日本で2軒だけになってしまった江戸風鈴によるインスタレーションを展開する。
日本では、飛鳥時代に原料から加工まで一貫した国産ガラスの製造が可能となり、ガラス玉類(ビーズ)が装身具などに使われてきた。しかし、本格的にガラスの器作りが始まったのは江戸中期のことである。南蛮船がもたらすヨーロッパのガラス器に憧れ、17世紀前半から中頃までに長崎で吹きガラスが始められたと考えられている。
以来、陶磁器や漆器と同様に、様々な生活用具が作られるようになり、他の素材と異なり光を透し、響き合うガラスは、日常に独特の輝きを放っている。盃や徳利、皿などの飲食器はもちろん、ガラス製の櫛・簪や文房具、ビーズで飾られたたばこ盆は、時におしゃれの代名詞となり、時に数寄者の的となった。またガラスの虫籠や吊灯籠など、今ではほとんど消えてしまったものも少ない。