産業環境管理協会:「エコプロダクツ2009」開幕
2009.12.10
世界各地に起こる温暖化による象徴的な異常現象を触れ、海面の上昇(2〜5m)などで、今後20年以内には沿岸部を中心に甚大な被害が予想されるという、世界の学者の共通した認識を示した。その上で、山本氏は「解決には何よりもスピードが重要である」とし、目下の経済危機を克服するグリーン成長戦略を描いた大規模投資と国民意識の喚起の重要性を語った。
山本氏は「日本の伝統やプロダクツ技術は非常に進んでおり、今後に需要が拡大するアジア経済の低炭素化に大きく貢献できる」とし、「そのため、少なくとも『エコプロダクツ2009』の来場者が200万人(来場者見込み18万人)を超えるほどの大きな関心を集めなければならない」と気を吐く挨拶となった。
昨年(2008年)から試験導入が始まった「カーボンフットプリント(CFP)」は、CO2排出量の算出などの壁でだいぶトーンダウンしているようにも見受けられる。しかしながら、実際のプロダクツでは、リデュースを積極的に進める各社各様の工夫がパッケージの随所に見られた。軟包装を用いた詰替スタイルではシャンプー・リンスや洗剤類に止まらず、インスタントコーヒーや調味料などの食品分野にも着実に普及しつつあるようだ。
また、軟包装と板紙とを組み合わせた新構造のパッケージ(リプトン)やチルドカップのオーバーキップレス化(セブン−イレブン・ジャパン)などが注目を集めていた。加えて、同展示内には"バイオプラスチックコーナー"が設けられ、トウモロコシやタピオカのでんぷん素材を用いたバイオプラスチックの成形トレー・容器などの普及が期待される。でんぷん100%での成形技術(コバヤシなど)の確立とともにPPやポリ乳酸との組み合わせにより、強度や機能、成形性の向上を図っている。「容器・包装リサイクル法」の対象外となるメリットなどを考慮に入れると今後、十分な価格競争力を持つことにもなろう。