テトラパック:高粘性粒状食品向け新殺菌機
2009.12.01
テトラパックは、高粘性粒状の食品を対象とする高圧殺菌機「テトラ・サーム・アセプティック・ビスコ」を発表した。新しい熱交換器の採用により、製品ロスを最大で50%削減できるほか、高い柔軟性に富んだ生産を実現し、食品の安全性の向上を実現する。
同殺菌機は、粘性の高いスープやソース、トマトペースト、カスタード・デザート、フルーツ加工品、野菜ピューレ、ベビーフードなどを効率よく大量にUHT(超高温)処理できる連続食品加工装置で、1時間に1万8000L以上の加工処理が可能である。「テトラ・ベルティコ」という高圧対応コイル型の管状熱交換器が採用し、最大350バールの圧力にまで対応できる。管内速度を上げることでシステム容積を下げることができ、少量でのシステムの充填が可能となる。
また、製品と水の混合領域が小ないため、切り替え時間が短縮でき、次生産を迅速に開始することができる。システム容積を小さくしたことで、従来の高粘性粒状食品の加工に使用されてきた装置と比べ、製品ロスを最大50%削減でき、原材料のロス、棄物処理と水道光熱費に伴うコストを削減、利益の向上につながる。新技術では製品が表面に付着しにくく、焦げることが少ないため、システム内の付着物を大幅に削減でき、洗浄時間の短縮と実働時間の延長も可能になる。
溶接部分を最小に抑え、表面の洗浄をしやすくした衛生面を考慮して設計で、食品の安全性を最大限確保している。先進のオートメーション機能により、休止時間や人為ミスのリスクを抑えながら、完全な生産管理とトレーサビリティを確保する。テトラパック・プロセッシング・システムズ社長のサム・ストロマーステン氏は「調理加工食品生産部門内で、取引先の具体的なニーズに個別に対応する完璧なソリューションを提供することが可能です」と語る。
同殺菌機は、同社の調理加工食品の特注生産ソリューション「テトラ・ビクテンソ」ラインで開発された最新装置である。「テトラ・ビクテンソ」は、乳製品向けのソリューションである「テトラ・ラクテンソ」と、2009年初めに発表された飲料用ソリューションの「テトラ・ベルテンソ」に次ぐ、第3の特注生産向けソリューションとなる。