JFMA:花き産業活性化の新春セミナー開催
2010.01.26
日本フローラルマーケティング協会(JFMA)は2010年1月20日、法政大学のボアソナードタワーで花き産業の活性化に向けた新春セミナーを開催した。毎年定例で開催されるセミナーで今回は、旬な話題をテーマにした講演2題と「花き業界混迷の時代をいかに乗り越えるか」をテーマに、5人のパネラーによるパネルディスカッションが行われた。
「日持ちする花を消費者に届けよう! ----鮮度保持とコールドチェーンの大切さ」をテーマにクリザール・ジャパン・取締役副会長の海下展也氏が、パークコーポレーション・代表取締役社長の井上英明氏が「お花屋さんのお店作りとは? 青山フラワーマーケットの戦略!」をテーマに講演した。終了後に質問が相次ぐなど、関心の高さがうかがえた。
日持ち保証販売は、同協会でも花き産業の活性化に向けた2010年度の重要な方針の一つとして位置づけられており、農林水産省でも産地収益力向上支援事業として今年度16億円強の予算で「日持ち保証販売実証」などが行われる予定である。海下氏は「日持ち保証販売の実現には、切り花の各流通段階で一環した鮮度保持管理が必要」とし、エチレン対策や葉の黄化対策、栄養補給、バクテリア対策、保水や衛生管理など具体的な取り組みを紹介した。こうした管理を進めることで、バラの日持ち保証を実施した米国大手スーパーHEB社の例などを挙げ、切り花の需要を大きく拡大した海外の実績を紹介した。
また、井上氏は顧客ニーズに立脚した青山フラワーマーケットの商品開発や仕入れ手法などで高い経営効率を実現していることなどが評価され、花き業界では初めてとなる「ポーター賞」※を受賞した。その経緯や授賞ポイントなどを具体的な取り組みを通じて紹介した。パネルディスカッションでは、この2人の講演者の他に、花の生産者であるメルヘンローズ・代表取締役の小畑和敏氏と市場を運営する世田谷花き・営業企画室の深川真人氏、そしてフローリストショップ「プーゼ」を経営するパーク・コーポレーション・代表取締役の渡邊倫久氏がパネラーとして参加した。