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〈編集部発〉変換効率100%で天然パッケージの可能性

2010.02.26

 世界で低炭素化社会への移行が模索される中、太陽光発電などへの関心が高まっている。しかしながら、現状では太陽エネルギーの電気への変換効率は20%程度であるという。やはりエネルギーの変換効率100%の植物(葉緑素)には適わない。ただ、大澤映二氏(ナノ炭素研究所取締役社長)らのグループによる"マッカイ結晶"のシミュレーションでは、その100%のエネルギー変換効率を実現できそうな太陽電池を作れる可能性が期待されている。
 「マッカイ結晶」は、ロンドン大学のアラン・マッカイ氏が
1991年に考案した特異な立体構造である。ねじれ正多面体の1種であり、ひとつながりの面が縦・横・高さの3方向にどこまでも続く3次元結晶だ。ねじれ正多面体は空間全体を2分割し、一方から他方へはどこかの面を突き抜けない限りいくことができないという性質を持っている。つまり、ねじれ正多面体は内側と外側が同じ構造なのである。
 マッカイ氏がこの構造を炭素で実現させることを思いついたのが「マッカイ結晶」である。
K4結晶同様に計算上の物質ではあるが、フラーレンを立体的に積み重ねて圧力を加え、接触面を合体させた構造をしている。この新しい炭素結晶構造が実際に見つかれば、グラファイトとダイヤモンドの2つの顔を併せ持つものになる。
 エネルギーの変換効率が自然に敵わないなら、やはりパッケージの機能やデザインも自然には適わない。究極といえば語弊もあろうが、バナナやみかんの皮は優れて天然パッケージである。包装技術が進んでも、まだ天然パッケージに匹敵するものはないといえる。
 もちろん、超えなければならない課題はヒマラヤの如く大きいといえども、「マッカイ結晶」も高分子結合の
1つだとすると、ナノサイズの世界であるだけに包装材料への利用の可能性もなくはなかろう。変換効率100%というのも未だシミュレーションの域にあるわけだから、包装材料への利用をシミュレーションしてみるのも悪くない。