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ニュースフラッシュ

資生堂:グローバル生産体制強化

2010.02.03

n_20100203_04.jpg 資生堂は、グローバル生産体制の強化に向けて、ベトナム・ドンナイ省に建設中のベトナム工場を201022日、代表取締役社長の前田新造氏出席のもとに竣工した。これは、世界で15番目の化粧品(化粧水・乳液・クリーム・洗顔料・整髪料)の生産工場(年産約2200万個)となる。今後、大きな成長が期待される中国を含むアジアの中間所得層に向けた商品生産を主力に、グローバル生産拠点の1つとして位置づける。
 2010年4月から本格稼動を始める予定で、まず日本国内向けに男性用化粧品や整髪料、洗顔料などの生産を行う。今後は、2011年度から始まる次期3カ年計画の中で、本格的な展開を始める「マステージ※ビジネス」の主力生産拠点として、アジアマーケットで中間所得層をターゲットとした商品の生産を行う。
 同社は、「日本をオリジンとしアジアを代表するグローバルプレイヤー」となることを目指し、
2008年からの3カ年計画を推進している。海外での売上構成比はすでに20093月期で約38%を占め、同比率を2017年度には5割超に伸長させていく考えである。これにともない、グローバルレベルでの生産体制強化を進めるもので、なかでも中国をはじめ拡大成長を続けるアジア市場に向けた対応に注力してきた。その具体化の1つがベトナム工場である。
 ベトナムは、アセアン諸国の中心に位置し、輸送コストや時間の短縮、アセアン域内関税といった地理上および輸出上などの好条件に加え、若く活力のある労働力に恵まれている。そうしは背景から
20084月、100%出資の生産会社「資生堂ベトナム有限責任会社」を設立し、200812月に4200USドルを投じて新工場建設に着工したものだ。
 ベトナム工場は「高品質」と「環境」と「人」を3つの柱とし、建設プロジェクトを推進してきたもので国際規格
ISO22716に準拠し、医薬品の経口薬製造で採用されている基準と同等の厳しい製造・品質管理(組織編制から、設備、衛生、人材、原料・梱包資材、廃棄などにいたるまで)を徹底している。なかでも工場内生産ゾーンでは、空気浄化や汚染空気の侵入遮断など、化粧品製造では極めて厳格なレベルといわれるクリーン環境を実現する。
 また、
CO2排出量の削減に向けた最新の省エネ設備を設置するとともに、工場から排出される廃棄物はリサイクルやリユースを行うゼロエミッション(廃棄物ゼロ)の体制を整えている。さらに「人材は何よりも大切な経営資源である」とする全社的な考えに則り、新工場の人材では将来の資生堂を支える員として教育に力を入れている。たとえば、新工場のキーパーソンとなる現地採用の社員15名を対象に、日本で約5ヵ月の実地研修を行うなど、なかでも生産技術はもちろん、日本語や日本文化に関する学習から、資生堂の「ものづくり」の精神や企業文化まで幅広く学ぶ機会を設けている。

※マステージとは、通常の商品価格より高いが、プレステージ商品に比べると値ごろ感があるというカテゴリー。