ネスレ:国内でも「カロリーガイド表示」を導入拡大
2010.02.16
ネスレ日本は2010年3月1日から、コーヒーミックスやPETボトル入りのコーヒー商品などに「カロリーガイド表示」を順次導入する。これまで、「ネスレ キットカット」をはじめとしたチョコレート商品のパッケージ前面に大きく表示してきたもので、ひと目でわかりやすいとの評価が得られたことなどから、導入商品を順次拡大するものである。
「カロリーガイド表示」とは、製品1食分(1回分)あたりのエネルギー(カロリー)と、それが日本人にとって1日に必要なエネルギー(2100kcal)※に対して何%にあたるかをアイコンにしてパッケージに表示したものだ。同社では、「カロリーガイド表示」を推進することにより、食品のエネルギー(カロリー)を確認しながら摂取量をコントロールすることを提案する。消費者がエネルギー(カロリー)と上手に付き合い、おいしく食事を楽しむことを支援してきたい考えである。
「カロリーガイド表示」はすでにヨーロッパで導入が広がっており、GDA(Guideline Daily Amount)と呼ばれている。2006年にイギリスで肥満が社会問題化し、健康なライフスタイルを実現するための情報提供が政策提言されたことに伴い、ネスレなどの大手食品・飲料メーカーがGDAを導入したことを契機に、ヨーロッパ全域に広がったものである。
ヨーロッパではCIAA(EU食品・飲料産業協会)がGDAの採用を決め、産業界挙げての実施が決定しており、同社ではヨーロッパ地域の商品の88%(2008年末時点)に表示している。イギリスで行ったGDAについての消費者調査では、すでに63%の消費者がGDAについて認知しており、83%の消費者が「すべての食品においてGDA を表示してほしい」と答えている。
こうしたヨーロッパでの実績を踏まえ、日本での「カロリーガイド表示」の導入を推進している。2008年10月1日にチョコレート商品で導入したのが国内菓子業界では初となった。同社が20歳〜59歳の主婦を対象にした健康に関する意識調査によると、食品や飲料のエネルギー(カロリー)を気にしている人は、「常に気にしている」、「カロリーが高そうなものだけ気にする」を合わせると82%に上った。
一方で、自分の1日に必要なエネルギー(カロリー)を知っているかとの問いには、56%が「知らない」と答えている。こうした結果を踏まえ、「カロリーガイド表示」ではエネルギー(カロリー)を分かりやすく表示するだけでなく、それが1日の目安カロリーの何%にあたるかを表示しているのが特徴である。