キユーピー:グループの総合力を生かした底力
2010.03.26
キユーピーは2010年3月25日に、今回で第12回目となる「キユーピーブランチ」を都内の砂防会館で開催した。「調味料・加工食品事業」「健康機能事業」「サラダ・惣菜事業」「タマゴ事業」「東アジアでの拡大」「キユーピーの横顔」の6コーナーを設け、新商品とともにキユーピーグループが展開する様々な商品を紹介する催今回は、「キユーピーのソースの広がり」という特設コーナーを設けて、具材が多く入ったソースと"食べて補う"ヒアルロン酸を強く訴求していた。
先行する業務用としての実績をうまく生かして、市販用としての展開などを進めている。グループとしての総合力を活用した縦横な連携プレーの強みを感じさせる。またブランドの訴求や使いやすさ、環境配慮といった点から、パッケージの役割を重視しており、今回はオーバーキャップの開栓と同時に中栓が開口するという「ヒネルキャップ」の体験デモにも力を入れていた。こうしたパッケージの役割という点では、業務用へのニーズの変化が現れており、ブランド表示やリクローズ可能なスパウト付きなど使い勝手の要求も強いという。
もう1つの注目点は、キユーピー醸造が作るこだわりの酢の様々な活用・展開である。同社が、マヨネーズを作り始めた時は、国内には米酢しかなかったことから、マヨネーズに合う酢(米以外の原料)の開発に力を入れてきたという。これまでの経験やノウハウ、技術から生まれた酢は、食材や料理、食事スタイルなど様々な用途に対応できる。すし飯などでも、酢の風味は楽しめつつも、ツーンとした特有の匂いがなく、具材の味をうまく引き立てる。
先頃、発売された新しいドレッシングの「味わいすっきり」は、この酢のノウハウと技術を生かしたものである。こうした技術への評価は高く、業務用がほとんどだが、すでにキユーピー以外の顧客で、売上げの70%近くを占めているほどである。超高齢社会や健康志向を背景に、同社では今後は積極的に酢の技術を生かした商品展開をしていきたい考えである。