サッポロビール:7カ月間宇宙に滞在したホップ種子
2010.04.22
サッポロビールは、リバネスとの連携のもとで「第2回 宇宙開発プロジェクト」に参画している。国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」に滞在していた育種ホップ種子が、スペースシャトルディスカバリー号で2010年4月に宇宙飛行士の山崎直子氏とともに地球に帰還した。2009年8月29日(日本時間)にケネディ宇宙センターから、スペースシャトル ディスカバリー号が日本実験棟「きぼう」まで運んだもので、約7カ月間宇宙に滞在したことになる。
宇宙から帰還したホップ種子は、同社のバイオ研究開発部北海道原料研究センターで各試験を行うほか、教育への活用や宇宙ホップを原料としたビールテイスト商品の製造を検討している。7カ月間も宇宙に滞在したことで、宇宙環境の影響を受け、ビールに欠かせない苦味成分のα酸や香りの元となる精油の特性に、何らかの影響を及ぼしていることなどが期待される。
すでに2006年から、ロシア科学アカデミー生物医学研究所と岡山大学資源植物科学研究所准教授の杉本学氏による「極限環境ストレスの大麦への影響調査」の共同研究に、自社開発品種「はるな二条」を宇宙での試料種子として提供している。2009年には、その実験で使用した「世界で初めて宇宙を旅した大麦」の子孫で製造したビール「サッポロ スペースバーレイ」をチャリティ販売している。