エプソン:プラスチックのダミー包装材の印刷が可能
2010.04.14
エプソンは、大判インクジェットプリンター「MAXARTシリーズ」の軟包装デザインとプルーフ向けモデルモデルとして世界初の水性ホワイトインクを搭載した「PX-W8000」を、2010年4月14日に発売した。同社では、年間販売目標200台を見込む。
「PX-W8000」は、新開発の"水性ホワイトインク"を採用することで、高濃度での白印刷を実現するとともに、オレンジやグリーンインクの搭載で明るく鮮やかなグリーンから、イエローとレッドまでの色再現領域を広げている。また、同社が独自開発した透明フィルム「クリアプルーフフィルム」が持つ優れたインクの受容能力や短い乾燥時間との組み合わせにより、特色や多色を必要とする高品質の軟包装のデザインやプルーフ用途に対応するものだ。
またフィルムメディアへのプリントだけではなく、紙メディアにもプリントできる。それより初期のデザインカンプのプリントは紙メディアへ、サンプル作成やプルーフはフィルムへのプリントと、目的や用途に合わせた使い分けができる。プリントヘッドには高画質と高生産性を両立した「MicroPiezoTFヘッド」を搭載し、各版を正確に重ね合わせた表現もできる。「逃げ処理」などの高精度な出力確認も可能である。フィルム上にデザインされた、白色のグラデーションも忠実に再現できることで、パッケージデザインの幅を広げている。
「水性ホワイトインク」は、印刷後の熱乾燥などの特別な処理を行わなくても常温での乾燥が可能である。頻繁にかくはんや排出・洗浄する必要がないため、取り扱いや日常のメンテナンスも簡単だ。食品用の包装材として特に敬遠される印刷後の残臭も少なく、有害なVOC(揮発性有機化合物)も発生しない。
また専用のプルーファーとは違い、プリントから色調整やメンテナンスに専門のオペレーターや技術者が不要となる。パソコン周辺機器の一般的なプリンターと同様の簡単操作で、デザインの初期段階からフィルムに直接、手軽に高画質出力ができる。A2サイズプリントで約1380円と、低ランニングコストを実現する。
本機の印刷シミュレーションを行うプルーフ出力で事前に校正確認が行えるとともに、立会い校正を最小限化できる。それにより再校正の場合の色調整や再製版、生産スケジュール変更などによる時間とコスト、工数の負荷を大幅に軽減する。新アイテムはいずれも環境配慮の商品として、欧州RoHS指令や国際エネルギースタープログラムなどの各種規格に対応している。