小林製薬:暮らしを探求し「新たな習慣」提案に挑む
2010.04.20
小林製薬がユニークな商品を次々と開発する背景には、同社の生活者の暮らしを見つめ、その変化をいち早く捉えるという暮らしの「快」が起点となっている。いうまでもなく、暮らしを形づくるさまざまな「習慣」は社会環境や経済環境、情報環境などの影響を受け、時代とともに絶えず変化している。消費生活に大きな影響を及ぼす、近年の経済不況でも消費や外出への抑制意識が高まる一方で、在宅時間を楽しもうとする新たな暮らしのスタイルが生まれているという。
同社では「暮らしの変化の中には、生活者も気づいていない新たな未充足ニーズの兆しがあり、そこに習慣提案の機会が生まれる」とする。「あったらいいなをカタチにする」をスローガンに掲げる所以でもある。こうした新たな習慣提案のヒントとなる暮らしの変化を、「生活者の"いま"に密着した視点」から「中長期的な視点」まで、様々な方法で絶えず研究を続けている。
同社では独自の視点で、部門の隔たりなく全社員が新製品アイデアを提案する「社員提案制度」「家庭訪問・日記調査」「暮らしのヒントお知らせ隊」などに取り組んでいる。「社員提案制度」では、年間3万件を超える提案があるようだ。特に自らの目で現場を見て歩き、生活者の暮らし視点に立った情報を収集するということでは、店頭は暮らしの変化がいち早く反映される情報の宝庫となる。