三井化学:シンガポールで第2プラント竣工
2010.07.14
三井化学はミツイ・エラストマーズ・シンガポール社(MELS)主催で、マリーナ・マンダリンホテルシンガポールで、高機能エラストマー(商品名「タフマー」)の第2プラントを竣工した。竣工式には、シンガポール通商産業省のリム・フン・キャン大臣、経済開発庁のレオ・イップ長官を始め多数の関係者が列席した。
第2プラントは、最新のポリマー設計、重合触媒、生産技術を組み込んだ年産10万トンの世界最大規模のプラントとなるものだ。同社として、高機能エラストマー事業の基盤強化を確固たるものにするための重要な戦略的意義を有している。今回の増強により、MELSは第1プラントと合わせて1拠点20万トンの生産能力となり、競争力を更に強化することになる。
経済開発庁エネルギー&化学クラスター局長のリャン・ティン・ウィー氏は、「三井の第2プラントは、アジアを含むグローバルに増大するニーズに合った、高付加価値の革新的製品を生産する企業のロケーションとしてのシンガポールの魅力を再確認するものである。この第2プラントが、三井のシンガポールでの成長の更なるマイルストーンとなることを喜ばしく思う」と挨拶した。
「タフマー」は、ポリプロピレンやポリエチレンなど熱可塑性汎用樹脂にブレンドすることで耐衝撃性能、ヒートシール性能等を飛躍的に向上させる柔軟かつ軽量なオレフィン系エラストマーで、自動車や産業材、包装材の各分野で高成長を続けている。また他社に先駆け開発上市し市場を創出してきた戦略商品であり、同社の機能性材料分野のコア事業の中核に位置付けられているもの。
同プラントは、3月の営業運転開始直後よりフル稼働を達成しており、「タフマー」の需要はアジアの経済発展と産業の高度化を背景に今後、ますます拡大していくと予測される。同社は高品質な製品の提供と技術サポート体制強化によって、日本を含むアジアでの最大シェア維持と欧米市場への展開で更なる事業拡大を図り、グローバル市場での地位強化を目指していく意向である。