味の素:米国ケロッグ社と研究開発のアライアンス
2010.07.13
味の素は、米国のケロッグ社(ミシガン州バトルクリーク)と健康価値製品※の研究開発及びグローバル市場への導入を共同で行うアライアンス契約を締結した。同社では、「ウェイトマネジメント(体重コントロール)」「減糖」「減塩」領域での研究開発に取り組んでいくとしている。
具体的には「カプシエイト」と「モナチン」を利用した製品の開発に着手するとしている。「カプシエイト」は、トウガラシ「CH-19甘(アマ)」に含まれている成分で、同社が独自に有する健康機能素材である。トウガラシの辛味成分のカプサイシンと類似した構造を有しており、代謝促進、脂肪燃焼効果があるが、辛味がほとんどなく、体への刺激が少ないといった特長を持っている。
すでに酵素を用いた方法により、天然と同じ成分を安定的に生産する技術を確立しており、今後食品などへの利用を検討していく考えである。食事コントロール、運動等と合わせ、食品などから容易かつ効率的に「カプシエイト」を摂取することにより、負荷の少ないウェイトマネジメントの実現が期待される。
また「モナチン」は、南アフリカの一部地域にのみ自生する希少な植物の根に由来する、天然の高甘味度甘味料である。アミノ酸様の構造を有し、ショ糖の約2000倍の甘みを呈しているが、ノンカロリーの甘味料である。安全で、"食べる楽しみや喜び"といった食の価値を維持したウェイトマネジメント製品の開発が期待できる。
心臓疾患などの成人病とも密接に結びついているといわれる肥満は、先進国を中心に深刻な社会問題となっている。同社が持つ健康管理・改善に有効な素材の研究と技術力、世界最大のシリアルメーカーのケロッグ社が持つ製品開発力とマーケティング力によって、肥満というグローバルな課題解決に寄与する製品の開発に取り組む意向である。
また、健康価値製品へのニーズは世界的に高まっており、2製品の他にも両社の強みと知見を活かした画期的な製品の開発と、グローバル市場への導入を推進していく。同グループでは、新製品・新事業開発を加速するため、国内外の資源を活用するオープンイノベーションを積極的に推進しており、今回の共同開発事業もその一環である。食品、アミノ酸、医薬をベースとした素材の基礎・応用研究と技術力を活かし、人々のQOLの向上に貢献する製品をグローバルに展開する、「グローバル健康貢献企業グループ」を目指すものだ。
※健康価値製品:人の健康面、栄養面だけでなく、摂りやすさ、食べやすさ、食べる・味わう喜びなど、精神面の充足やサポートにも着目し、食を通じたQOL(Qualily of Life)を追求した製品