• ニュースフラッシュ
  • ワールドビュー
  • 製品情報
  • 包装関連主要企業
  • 包装未来宣言2020

トップページ > ニュースフラッシュ > 〈編集部発〉日本版レディ・トゥ・ミールの進展への期待

ニュースフラッシュ

〈編集部発〉日本版レディ・トゥ・ミールの進展への期待

2010.08.20

n_20100820_04.jpg 大手流通チェーンのスーパーやCVSでは、電子レンジ調理用の惣菜・弁当類開発が進んでいる。バックヤード調理や専門店などの台頭で、これまでの弁当類の販売が不調なことや、賞味期限が短くロス率が高いことなどを背景に、消費期限(2〜3倍)を大幅に延ばした惣菜・弁当類の本格販売を開始するというものだ。
 冷凍とチルド流通の2通りだが、欧州ではチルド流通でのレディ・トゥ・ミール(ready to meal)の商品展開が進んでいる。消費期限を延ばすことで、工場で大量生産して、チルドで店頭まで流通させるというもの。鮮度と電子レンジ調理でのでき立てのおいしさが特徴である。
 独自の惣菜・弁当文化が存在する国内では、そうした合理的な考えによる惣菜・弁当開発がこれまで進まなかったわけだが、ここに来て需要構造の変化などを契機に大きく進み始めた感がある(本誌2009年4月号を参照)。これには、鮮度保持包装での資材やシステムが大きく係わっている。こうした流れの中で、セブン-イレブン・ジャパンでは2009年秋から、新しいマーケティング手法として"ミールソリューション"への取り組みを本格的に開始している。

◎セブンの電子レンジ調理によるミールソリューション

 チルド流通を利用したロングライフの惣菜・弁当類の開発で、添加物を削減した料理・食材本来の美味しさや、販売期限を製造後約73〜97時間に延長(既存弁当の販売期限は約25〜26時間)した保存性(販売鮮度)の追求である。これにより消費期限を従来の製造後約27〜28時間から約75〜99時間に延長したものだ。定番メニューでかつ電子レンジで加温して食べるメニューを中心に開発し、炊飯工程も酵素使用による"粘り"と"食感"を改善することで時間経過に強い米飯を開発している。
 スチームパック方式を導入し、トップシールによる密閉容器を採用する。上部フィルムにスリットを入れ、電子レンジ調理での内圧の上昇で蒸気穴が自然に開き、蒸気が抜ける仕組みである。これにより、一定圧下で加温されるため圧力鍋と同じ要領で短時間での調理が可能となる。素材本来の味を生かし、スチームによる蒸し効果で、しっとりとした食感が楽しめる。
 横浜地区の166店舗で開始したテスト販売では、惣菜分類全体で前年比120%の売上げを示すなど好調であったことなどから、本格的な販売に乗り出すものだ。すでに欧州マーケットでは多数の導入実績を持つ、ムルチパックのガス置換やスチームパックといった深絞り包装システムと電子レンジ対応包装材などが注目されている。
 まずは導入コストが抑えられて、非常にコンパクトな設計であることから、超小型深絞り包装機「R105」(東京食品機械)などが好評のようだ。本誌では、こうしたレディ・トウ・ミール需要の伸長とともに、包装材や機械・システムの開発と技術の革新に支えられるかたちで、欧米マーケットにはない日本版レディ・トウ・ミールが誕生することを強く期待したい。

(写真キャプション)
トップ材 ON/特殊PPイージーピール= 5μ
ボトム材 エコロEX(白色・比0.45)0.8mm
シートサーモフォーミング+ガス置換