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ニュースフラッシュ

アサヒビール:中国・台湾での食品事業拡大と国内工場再編

2010.09.29

 アサヒビールは、中国食品・流通最大手の頂新グループの持株会社である頂新(ケイマン)ホールディング(英文名称:TING HSIN (CAYMAN ISLANDS) HOLDING CORP.)の第3者割当増資の引受により、増資後発行済株式ベースで約6.54%を取得することに合意した。引受金額は52000万米ドル(438億円)となる。頂新株式の取得は、同社100%子会社のエイ・アイ・ビバレッジホールディング(AIB)を通じて行うものだ。
 これにともない同社は、すでに頂新株式の20%を保有する伊藤忠商事と、中国での飲料事業に加え日本国内で展開している高付加価値食品や機能性食品を中心に、中国及び台湾での食品事業についても業務提携を行うことに合意した。同社と伊藤忠商事は、共同で新会社「株式会社シーエフアイ(仮称)」を設立し、この新会社を通じて頂新株式を保有することにより、中国及び台湾市場での食品事業の拡大を協力して目指していく意向である。持株比率は約25.2%となる見込みだ。
 同社ではAIBが保有する康師傅飲品控股有限公司(英文名称:Tingyi-Asahi Beverages Holding Co., Ltd)の発行済み株式39.996%の内8%を、頂新に5億2000万米ドル(438億円)で売却することでも合意した。頂新は主に中国で即席麺、飲料及び菓子の製造販売を手がける康師傅控股有限公司(英文名称:TINGYI (CAYMAN ISLANDS) HOLDING CORP.)を中心とする子会社・関連会社群を通じて、中国及び台湾での食品製造・販売事業、外食チェーン事業、小売事業を展開している。
 同社と伊藤忠商事、頂新グループ間の関係は、2004年4月に康師傅の飲料子会社の康師傅飲品に、同社と伊藤忠商事が合弁で資本参加することにより本格的に開始したものだ。茶系飲料やジュース類及びボトルドウォーターを含む中国の非炭酸系飲料市場で主要な地位を占める康師傅飲品に対し、飲料事業での生産技術やマーケティングなどの支援や康師傅の幹部社員を、同社が一定期間受け入れるなどの人材交流を進めてきた。
 伊藤忠商事でも頂新に20%出資したことに加え、CVS事業・製パン事業などの合弁事業を頂新グループと設立するなど頂新グループと強固な関係を構築してきている。同社では、伊藤忠商事及び頂新グループ間の提携を更に強化することを目的に、引き続き康師傅飲品の中国での成長を支援するとともに、頂新グループが展開する広範な食品事業分野で連携を図り、製造技術・品質管理・商品開発などのノウハウの提供を進めたい考えである。その上で、同社グループ商品の販売や高付加価値素材を活用して、中国及び台湾での食品事業への展開・拡大を目指す。
 また国内でも、収益構造改革に向けた工場再編成によるビール類新生産体制をスタートする意向である。2009年12月に発表した「中期経営計画2012」の方針となる「国内酒類事業における収益構造改革」を積極的に推進していくものである再編成対象となる工場は、西宮工場(兵庫県西宮市)で、吹田工場が西宮工場の機能を統合し、国内でのビール類新生産体制をスタートさせる。新生産体制により、国内全工場での生産効率は大幅に向上し、コストダウン効果では年間約45億円が見込まれる。
※1米ドル=84.3円で換算