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エイブリィ・デニソン:独自バルブ機能を持つ粘着ラベル

2010.10.14

n_20101014_03.jpg 米国のエイブリィ・デニソン社は、独自のバルブ機構を持つ粘着ラベル「FlexisTM(フレキシス)」(基材PET)を開発し、世界に先駆け日本をはじめアジアマーケットで先行して販売を開始した。食品メーカーや小売流通のバックヤード・調理センター、包装材サプライヤーなどでの需要を狙い、国内ではエイブリィ・デニソン・ジャパンが販売を手掛けている。
 「FlexisTM」は、容器・包装の内部の空気や蒸気などを管理する独自バルブ機能付き粘着ラベルである。用途に応じて、同社では「FlexisTM Steam(フレキシス スチーム)」と「FlexisTM Air(フレキシス エアー)」の2タイプを用意している。電子レンジ調理用の蒸気抜きバルブの「FlexisTM Steam」と、一定の内外圧が加わると包装内の空気を排出するバルブの「FlexisTM Air」である。
 いずれも独自バルブ機構もさることながら、包装材をプレ加工するものではなく、ラベルを貼り付けることでバルブ機能を付与できるのが最大の特徴である。これにより容器や包装の形体などを選ばず、多品種小ロット化への対応ではコスト低減を実現する。同社では、すでに専用ラベラーなどの自動化でのソリューションも用意している。
 「FlexisTM Steam」では、電子レンジ調理による包装内の温度上昇によってバルブが開口する仕組みである。単純にいえば、2枚のフィルムの貼り合わせによるバルブ構造で、上(外)部のフィルムはあらかじめ開口しており、包装内が一定温度に達すると下(内)部のフィルムが収縮することで、上下で完全な開放状態をつくる仕組みである。
 エイブリィ・デニソン・アジア太平洋地区マーケットマネージャーのバッサム・ハラック(Bassam Hallak)氏は、「これまでの水蒸気抜きのバルブ容器に比べて、まんべんなく短時間で加熱できるのが特徴です。また粘着ラベルであることから、使用時に触れたりすることのないよう、安全かつ容易にバルブ貼り付け位置を任意に選択できます」と語る。
 「FlexisTM Steam」は、非常にシンプルな構造でありながら、調理時間や排出する蒸気量の正確な設定などが可能である。こうした高精度な設計により、料理の水分量をコントロールし、味や食感などの向上を実現させるものだ。そのためカレーやパスタなどのソース類から米飯、餃子、麺類といった幅広い調理済み食品に対応する。パッケージデザインや形体をふまえた上で、自由なラベルのデザインが可能である。

※エイブリィ・デニソン...ブランド識別やラベリング技術での様々なソリューションを提供するラベル材料のグローバルリーダー企業。主な取扱製品は粘着ラベル材料、流通・小売業向けタグ&ラベル、オフィス用品/コンシューマ製品、特殊加工製品。2009年度の売り上げは約60億米ドルで、米国「フォーチュン」誌が選ぶ"FORTUNE 500"に選定されている。本社はカリフォルニア州、パサデナにあり、販売・生産拠点を全世界60カ国。2010年で創業75周年を迎える。