キッコーマン:シンガポール・香港で、食品卸の株式取得
2010.10.18
キッコーマンは2010年10月15日、関連会社のJFC Singapore Pte. Ltd.(JFC シンガポール社)が、シンガポールの食品卸売会社であるYamakawa Trading Co. (Pte) Ltd.(ヤマカワトレーディング社)及び香港の食品卸売会社のYamakawa (H.K.) Limited(ヤマカワ香港社)の発行済株式の100%を取得することにつき、両社の親会社のシンガポールのTye Soon Limited(タイ・スーン社)と合意した。
タイ・スーン社の株主総会の承認を経て2010年12月に株式を取得し、2011年1月から新体制で事業を開始する予定である。同社は今回の株式取得により、金融や物流のハブ機能のあるシンガポールに新たな拠点を確保し、東洋食品卸事業のアセアン諸国への本格的な展開を図りたい意向だ。
ヤマカワトレーディング社は、シンガポールでのキッコーマンしょう油の正規販売代理店であり、食品や酒類、ヘルスケアなどの雑貨を扱う卸売会社で、特に菓子類に強い販売力を持っている。同社はシンガポールに菓子類小売店のYamakawa Super Pte. Ltd.(ヤマカワスーパー社)、マレーシアに食品卸売会社のYamakawa (M) Sdn Bhd(ヤマカワマレーシア社)という2つの100%子会社を有している。一方、ヤマカワ香港社は香港で、主にスーパーなど小売店に菓子類を販売している。
キッコーマングループは2008年4月に策定したグループの将来ビジョン「グローバルビジョン2020」で、「東洋食品卸世界戦略」を「しょう油世界戦略」に次ぐ第2の柱と位置づけ、拠点ネットワークの整備と物流体制の強化を図ってきた。北米・中米では、JFC INTERNATIONAL INC.を中心に23拠点を展開し、欧州では、JFC INTERNATIONAL (EUROPE) GmbHを中心に、ロンドンやパリ、ウィーンに拠点を設けるなど、欧米を中心に世界各国に35拠点を有し、日本食を中心とした東洋食品を販売している。アジア・オセアニア地域は現在、北京や香港、シドニー、ブリスベーン、パース、オークランドの6カ所に拠点を設けている。
今回、ヤマカワトレーディング社などをキッコーマングループに加えることで、アセアン諸国への展開を強化するものだ。JFC各社が蓄積してきたノウハウを活かし、まずシンガポールで、ヤマカワトレーディング社の販売チャネルをもとに、日本食レストラン向けの販売を拡充する意向。またフリーポートとしてのシンガポールの利点を活かして、周辺のASEAN諸国への輸出や拠点の展開を進めていくものだ。