テトラパック:高付加価値の乳製品ためのUHTユニット
2010.11.19
テトラパックは、革新的な設計で生産効率の大幅な改善を実現する、UHT(超高温殺菌)乳製品用の直接加熱ユニット「テトラ・サーム・アセプティックVTIS(Tetra Therm Aseptic VTIS)」を発売する。直接加熱式UHT技術は、瞬間加熱・冷却により、製品に対する熱負荷の影響を最小限に抑え、高付加価値な製品品質を実現するものだ。
「テトラ・サーム・アセプティックVTISユニット」は、牛乳や成分強化牛乳、クリーム、アイスクリームミックス、その他乳製品デザート、豆乳製品など熱影響をうけやすい製品をダメージなく処理する。従来の直接加熱式UHTシステムと比較して、15%のランニングコストを削減する。現在の業界標準と比較して、製品ロスを最大40%まで削減するとともに、運転時間を最長60時間まで延長可能である。
熱負荷を減らし、味や色など製品物性に対する影響を最小限に抑える。どんな既存の直接加熱式UHTシステムよりも最高の生産効率を提供する。同社・食品部門ディレクターのデイビッド・ポメロイ氏は、「テトラパックは、お客様の廃棄物やコストの削減とともに生産の最大化を志向し、効果的で効率的なソリューションの開発に注力しています。同ユニットでは、熱の影響を受けやすい高付加価値の乳製品を処理する優れた方法を提供するために、全てのシーケンスステップを検討し、構成機器の1つひとつにいたるまで試験しました」と語る。
ダブルバランスタンク(製品用と水用のバランスタンクを別々に設ける)の採用により、水が入った製品バランスタンクを完全に空にしてから製品を投入することが可能となり、製品の水混ざりによるロスを削減する。ユニークなフラッシュ冷却システムは、円錐形の頭頂部のベッセルにスプレーコンデンサーを組み込み、従来の外付けコンデンサーに比べてフラッシュ冷却時に凝縮水とともに排出される製品0.01%まで削減している。
チャンバーの設計も一新して検査やメンテナンス、サービスが行いやすくなり、食品の安全性を強固なものにする。製品の予熱は、温水加熱の代わりに加熱処理された製品との熱交換を活用し、予熱される製品への熱伝達を行ようにしている。この結果、従来モデルと比較して蒸気の消費量が5%まで削減され、長期的に大きなコスト削減が可能となった。
スチームインジェクターやホールディングセルの設計を改良し、過加熱部の発生を防ぎ、システム内の汚れを低減する。この結果、従来はCIPまで30時間だった連続製造時間を延長し、最長で60時間になっている。CIPと装置滅菌の回数が減り、ユニットあたりの生産コストを低減している。運転時間やエネルギー消費量、製品ロス量、CIP回数、装置滅菌時間などについての性能保証付きで、単体として、或いは乳製品生産ラインソリューション、テトラ・ラクテンソ・アセプティックに組み込んだかたちとして提供される。