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ニュースフラッシュ

メッセデュセルドルフジャパン:欧州包装NEWS(2010年冬号)

2010.12.21

 欧州の国々の多くは日本と同様の少子高齢化や単身世帯の増加など、人口動態に変化が現れている。具体的に、ドイツでは全人口に対する65歳以上の人口の比率は2010年は31.17%で、2050年までには56.439%に達するとともに、欧州27カ国の総人口に占める65歳以上の人口の比率は、現在の25.9%から2050年までには 50.42%にまで上昇すると予測される。
 世帯構成ではドイツの単身世帯の比率が(すべての世帯の割合として)これまで12年間で1.3%上昇したとのデータもあり、欧州全体ではその比率が25%(1994 年)から28.92%(2005年)まで上がっている。こうした背景から、プロダクト容器はサイズダウンが進んでいる。
 例えば、MBD調査でも明らかで、イギリスの食品・飲料包装産業が注目する傾向は、「on the go」(つまり、持ち帰りのもの)と1人で食事をする機会の増加である。最新事例として、デンマーク本社のスーパーフォス社が開発してきた「スーパーシール」では、スウェーデンの顧客のニーズにより標準200gのコンテナを2×75gダブル容器へと変換した。これによりカナダの食品検査機関CFIAのイノベーション賞を受賞している。
 またダノン社は「アクティビア」ブランドのヨーグルト飲料容器のサイズを300gまで減らし、オーストリアで販売される菓子「バリスト」のサイズダウンで、1個の熱量を100cal以下になるまでに減らしている。コカ・コーラが250mlサイズ缶をヨーロッパで販売し始めることも注目される。
 スウェーデンの製紙会社ビッレルッド社と包材メーカーのフレキストルス社が協同で開発した素材「Paperlite」の実用化が注目されている。原材料は紙から作るファイバーで、ユーザーの要求によりPETやPEまたはビオポリマーとコンバインされ、容器製造機械で加工される。ペーパーライトの長所として、プラスチックを加工する場合と同じスピードで加工できるということ、容器の堅固性とリサイクルの可能性が上げられるのが特徴である。
 北欧では、ペーパーライトの容器はリサイクル紙として扱われ、コーティングに生分解性可能な原料を使用すると、ペーパーライトの容器を生分解することができるようになる。イギリスの百貨店・スーパー大手のマークス・アンド・スペンサーやケリー・フーズなどがこの技術に関心を寄せているが、現時点の生産量はまだ限られている。フレキスとルス社は5年以内に10万トン以上の製造を目標とする。
 2010 年の秋、欧州の包装産業では2つのアワードが注目を集めた。ドイツ包装研究所が実施する「ドイツ包装賞」と、スターパック・ワーキング・グループによって実施される「スターパック・アワード」である。「スターパック・アワード」の「環境保護」分野の優秀賞(金賞)を受賞したのは、チェサピーク社が開発したココアの容器「Cadbury Roses Tin Replacement Carton」だ。
 既存の容器に比べて45%の軽量化を実現するとともに、新しい箱は100%リサイクリング可能となった。
 銀賞は、インプレス社開発のペイント缶「FIRED EARTH National Trust Ringo Paint Can」である。これまでより軽くなり、開け口に金属のリングが不要となった。また銅賞は、シャーウッド・プレス・グループが開発した100%リサイクル可能なサンドウィッチ包装だ。受賞した中にはフレーター社(Floeter Flexibles GmbH)が開発した洗剤の5Lパウチなどもある。通常は容器として缶が使われ、濃溶液の洗剤で消費者が薄めて使用するもの。通常1パレットに96缶が積載されていたものが、540のパウチが運送・貯蔵することができるようになった。
 ボッシュ パッケージング テクノロジーがインドでビジネスを拡大している。市場拡大が予想されるインドは、ベルナの工業団地に約3万3000平方メートルの土を購入し、400万ユーロを投資して新しい工場を建設する予定である。工場の完成は2012年の見込みで、完成後はインドでの製造を1カ所に集約する。ターゲットは東南アジア、近東とアフリカなどである。
 ゲレスハイマー社・代表取締役社長のレアーホッフ氏が「売上の10%を占める新興工業国でのビジネスを3年の間に倍にしたい」と発表した。同社が2010年インシュリン・ペンなどを作る工場をブラジルで設立し、つい最近インドに駐在員事務所を開設した。
 
※欧州包装NEWS(2010年冬号)より抜粋
http://www.messe-dus.co.jp/fileadmin/newsletters/EuroPackagingNEWS_2010.04.pdf