東レ:中国で光学用PETフィルムの生産増強を
2011.01.28
東レは、中国で光学用PETフィルムの生産能力を増強する。同社が50%出資する「儀化東レポリエステルフィルム有限公司」(YTP)に、約55億円を投じて年産1万5000トンの光学用厚物フィルム製膜設備を増設するものだ。稼働開始は2012年9月にある見込みである。
同社はYTPで2011年7月から、フラットパネルディスプレイ(FPD)の拡散板、プリズムシートおよびマイクロレンズに使用される光学用厚物フィルムの生産を開始する(年6600トン)。中国では今後、FPD関連部材メーカーの現地生産進出や国産化の進展により、光学用厚物フィルムの国内需要は年30%以上の高成長が見込まれている。同社では増設により、中国での光学用フィルムの生産能力を年2万1600トンまで一挙に引き上げ、急増する需要に対してナンバーワンサプライヤーとして安定供給を維持したい考えである。
PETフィルムの世界市場は、食品包装用途の堅実な需要拡大に加えて、情報通信分野や環境・エネルギー分野の成長にけん引される形で年6%の成長が見込まれている。そのうち光学用フィルムは、主力用途である液晶ディスプレイなどFPD関連需要の好調をはじめ、タッチパネルの薄型・軽量化に向けたフィルム部材の普及により、高い成長が見込まれる。同社では2010年以降、光学用フィルム分野向けに350億円以上の集中投資を行い、日本・韓国・中国の3拠点による最適生産体制の構築を進めている。