サッポロHD:ポッカコーポレーションと経営統合
2011.02.10
サッポロホールディングスは、ポッカコーポレーションと新たな競争力を生む「食品価値創造グループ」構築を目指し、統合・再編による経営統合に向けた協議を開始する。その第1ステップとして、同社はポッカコーポレーションの株式を取得(子会社化)する。2011年3月下旬にポッカの株式を追加取得することを発表した。
今後、両社で国内外における酒類・飲料・食品・外食分野での競争力に富んだ新たな「食品価値創造グループ」の構築を目指し、両社グループの事業・組織体制の再編成について協議するとともに、再編後の新たな企業グループに相応しい持株会社の経営体制や社名などについて検討する。2012年4月の新体制スタートに向けて協議を進めていく意向である。
同社は、2016年をゴールとする新経営構想で「食品価値創造事業」を事業ドメインの1つとして掲げている。130年以上の歴史を積み重ねてきた酒類事業を中心としながら、更に幅広い「食」の分野に事業展開を拡大すべく、戦略的提携の実施や国際展開の推進を図っている。国内では丸大食品と提携し、安曇野食品工房に出資することでヨーグルト・デザート・チルド飲料の合弁事業を開始している。
またポテトチップス市場への参入や協同乳業との資本業務提携などを推進する一方で、海外ではメイル乳業(韓国)との業務提携による韓国ビール市場への参入、ベトナムビール市場への参入と東南アジア諸国への進出を睨んだ、工場建設なども推進している。同社とポッカは、2009年9月に資本業務提携を締結して以来、自動販売機事業の強化や商品の共同開発、営業・販売協力、生産体制の最適化、共同調達の実現、共同物流体制の構築等などでシナジー効果を発揮してきた。
主に国内では生産や共同調達、共同物流の面で一定の成果をあげており、また海外ではポッカブランドが広く浸透する、シンガポール市場ではポッカシンガポール社が同社商品の取扱いを開始した。その間、国内の酒類・飲料・食品業界では景気回復の遅れやデフレによる消費マインドの縮小、人口の減少及び少子高齢化によるマーケットの縮小などが進行し、顧客接点の拡大や自社の強みを活かした差別化の推進、競争力の向上など、積極的な海外進出に取り組んできた。
両社では速やかに経営統合に向けた委員会を設置し、グループ内の事業・組織体制の再編成や、持株会社の経営体制・社名などについて協議を進める意向である。なお、すでに資本業務提携関係にある明治製菓とポッカの資本関係は解消されるが、業務提携は今後も継続していく方針である。