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ニュースフラッシュ

《編集部発》東北地方太平洋沖地震へのお見舞い

2011.03.14

 東京でも、かつてない激震と引き続く余震、それにともなう電力供給の不足などにより、思いのほか混迷と不安を中にある。かく言う本誌も、2011年3月11日当時は編集の最中にあり、突然の大揺れとその長さに思わずイスから降りて、床にしゃがみ込んだ。ほんの一瞬の間だが、「このままビルが崩壊するのでは」と恐怖に駆られた。
 ましてや、震源地に近い宮城や岩手、福島などではどれほどか。直後の津波と合わせて、想像を絶する恐怖であったことは、甚大な被害状況が物語っている。心身ともにまだまだ混乱の最中にある被災地の方々へ、いまだ届く言葉だとは思いえないが、この場をおかりして心からのお見舞いと復興をお祈り申し上げます。
 不幸中の幸いにして、つながりのある命が再び巡り会った歓びはいかばかりであったであろう。その生き別れた命の一方を求めて「生きてさえいてくれれば」との心情の吐露に、再会した歓びは余すことなく表れている。逆に、不幸にも永久の別れとなってしまった悲しみは筆舌に尽くしがたい。
 とはいえ、生死の別れが、永久の別れとなるわけではない。仏典には「一つ種は一つ種、別の種は別の種」とある。同じ種でつながる命は"生死"を超えて、過去から未来へと流れ通うものである。ひと度は別れても、また一所に生まれて会うが道理なのである。東北人の内芯は強い。厳冬を長く耐え抜いてきた底力がある、
 今は、悲しみに胸を塞ぎ、泣き崩れて、途方にくれるように見えても、必ずや心底に眠る不屈の魂が燃え上がり、再び未来に向かい、希望の光を周囲に放ちながら、復興への力強い歩みを開始するに違いない。それは、これまでを遥かに凌駕する力強い歩みである。そのゆえを、オーストリアの哲人・ツヴァイクは「奈落の底を知る者だけが、生のすべてを知るのであるから、人は突き放されてはじめて、その全突進力を与えられるのだ」という。
 本誌は、その東北健児の"師子王の心"を信じ、自らの心中に呼び起こしながら、新しき時代を拓きゆくその建設の労苦をともにしていきたいと思う。いうまでもなくパッケージは「包む」を以て"行"とする。包むことに躊躇なく、選ばぬことが境涯である。悲しも苦しみも、無念も怒りも、善も悪も、すべてを包み込んで癒し転じて、未来へ"希望"と開いてゆくのだ。
 そこにパッケージの重大な役割があり、その本領を発揮する時が来たといえるそれを担う我々の境涯が問われているのだと確信する。