サントリー:業界初PETボトルのBtoBメカニカルリサイクル
2011.04.14
サントリー食品インターナショナルは協栄産業との共同で、国内飲料業界初めてとなるPETボトルのBtoB(ボトルtoボトル)メカニカルリサイクルシステム※を構築した。同システムは、市場で回収されたPETボトルを原料に新たなPETボトル「リペットスタイルボトル」を再生する仕組みだ。同社では2011年5月から、商品の一部に導入する意向である。
現在、国内で回収されたPETボトルは、衣料品などにリサイクルされているほか、大半は資源として海外へ流出しているのが実情である。同社では、PETボトルのBtoBとしてケミカルリサイクルを一部導入しているが、日本ではまだ普及していない。
そのため、同社では協栄産業と共同でリサイクル用途の確立に取り組み、PETボトルのBtoBメカニカルリサイクルシステムを新たに構築したものだ。協栄産業は日本で初めて再縮合重合プラントを導入し、回収したPETボトルを洗浄・高温で溶解・ろ過を行うことで、高品質な再生PET樹脂を生産している。同社はこの再生ペット樹脂を50%含むPETボトルを成形し、飲料用容器「リペットスタイルボトル」として実用化していく。
今後は、メカニカル再生ペット樹脂の含有量を高めていくとともに、従来から導入しているケミカルリサイクルで再生したPET樹脂を使用することで、PETボトルの100%BtoBリサイクルを目指す意向である。これにより、PET樹脂の原料となる石油由来資源を約90%、さらにCO2(製造時の排出量を含む)を約60%削減することが可能となる。
同社は、リサイクルPETボトルを原料にしたロールラベルや、手でも小さくたためる"P-ecot(ペコッと)ボトル"の開発をはじめ、これまでも顧客の使いやすさに配慮しながら容器の軽量化などにも取り組んできた。今後もニーズに合わせた商品開発や容器を取り巻く環境対策に一段と力を入れていく考えである。
※マテリアルリサイクル(使用済みの製品を粉砕・洗浄などの処理をして、新たな製品の原料とすること)で得られた再生樹脂をさらに高温、減圧下で一定時間の処理を行い、再生材中の不純物を除去する方法。