ニチレイフーズ:農業の食品産業化に寄与する野菜販売会社
2011.04.14
ニチレイフーズは、外食・中食業者からの発注に基づき栽培された野菜の販売を行う「ニチレイアグリ」を、鹿児島県鹿児島市に2011年3月15日に設立した。同社では、2011年秋以降から販売を開始する予定である。同社では、これまで培ってきた生産管理ノウハウを活用することで、農業の食品産業化への寄与を目指し、ニチレイアグリを設立したのである。
国内の野菜の輸入量は確実に増加傾向にあり、新興国の経済成長に伴う需要の高まりや天候不順に起因する不作などから、将来的には必要量の調達が困難になると考えられる。そのため、国内農業の振興や国産野菜のコスト競争力などが求められるが、農業経営者の高齢化や後継者不足などにより、1975年と2010年との比較では農家戸数は約半数の253万戸に減少し、耕作放棄地は約3倍の39.6万haに増加しているのが現状である。(農林業センサス調査結果を参照)
ニチレイアグリは、顧客の発注に応じて栽培された生鮮野菜を販売する。多品種の野菜供給に対応するため、日本有数の農業県である鹿児島に設立したものだ。農業生産法人であるさかうえ及び有田農産によって栽培された野菜を加工し、主に鹿児島県の外食・中食マーケットに供給していく。
外食・中食業者の要望に応じて生鮮野菜の皮むきやカットなどの軽加工を外部委託し、食品問屋から外食・中食業者へ納品する仕組みである。農業生産法人はニチレイアグリと協同することで、新たな需要を取り込み生産量の拡大が見込まれる。一方、外食・中食業者では豊作や不作など収穫量で大きく変動していた調達価格・数量の安定化が見込まれ、かつ加工食品などを調達している食品問屋の、既存の物流網を活用することができる。