武田薬品工業:中国で新販売会社設立
2011.05.02
武田薬品工業は、武田(中国)投資有限公司の100%出資の販売会社として、武田薬品(中国)有限公司を江蘇省 泰州市の特区であるChina Medical Cityに設立した。設立に伴い、天津武田薬品有限公司の販売・マーケティング機能は今後、段階的に武田薬品(中国)に移管され、武田薬品(中国)が2011年3月25日に公表した事業拡大を担うこととなり、天津武田は製造に特化する会社となる。また武田(中国)投資は、両社の親会社として中国事業全体を統括することになる。
武田薬品(中国)は、医薬品輸入・卸販売許可を取得しており、完成品の輸入が可能となる。天津武田による現地製剤・包装化を行った製品に加えて、完成品輸入のオプションを持つことになり、中国での医療用医薬品の製品ラインアップ拡充に向けた柔軟な対応を取ることができる。さらに、OTC(一般用)医薬品事業でも「アリナミン」ブランドなどによる中国への進出について、本格的な検討を進めていく考えである。
泰州経済開発区党務工作委員会書記の何榕氏は、「武田薬品が新販売会社を設立し、CMCが持つ、中国で最高レベルにある医薬ハイテク産業向けのインフラを活用されることを嬉しく思います。CMCでは、武田薬品(中国)の事業運営を全面的にサポートしてまいります」と述べている。
同社のコーポレート・オフィサー アジア販売統括職の平手晴彦氏は、「武田薬品(中国)を設立し、中国での飛躍的な成長に向けた新たな事業基盤を整えることができた。今後、既発売品の販売拡大、2型糖尿病治療薬「SYR-322」、不眠症治療薬Ramelteonの開発加速、天津武田のさらなる生産力と品質管理体制の強化に取り組むことにより、中国市場でのプレゼンスを確立していきたい」と述べている。