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東レ:完全バイオマス原料由来PET

2011.06.30

 東レは、再生可能化学品および先端バイオ燃料のリーディング企業である米国のGevo社と共同で、完全バイオマス原料由来PETの重合並びにフィルムの試作に成功した。このバイオマス由来PETサンプルは、ニューヨークの The Waldolf-Astoriaで開催される「BioPlastek 2011 Forum」(2011年6月27日〜29日)に出展された。
 Gevo社は、バイオマスを原料として独自に改変した微生物を用いた高効率製造プロセスにより製造したバイオイソブタノールから、商業生産に使用される化学変換反応によるパラキシレンの合成に成功している。同社では、この再生可能なバイオマス原料由来のパラキシレンから自社保有の空気酸化技術により誘導されたテレフタル酸と、市販されているバイオエタノール由来のエチレングリコールを原料として試作に成功したものだ。
 これは、新規の技術と同社が保有する重合・製膜技術による。このバイオマス由来PETは、石油由来PETと同等の特性を有している。現在、石油由来のエチレングリコールを重合し、製造されているPETは、繊維やフィルム、ボトル用など世界で年間約5000万トンが生産され、PEやPPを上回る世界最大の需要規模となるポリマーに成長している。
 同社では「まだ実験室レベルではあるが、バイオマス原料のみから実現できるプロセスでのPET製造が可能であることの証明であり、持続可能な低炭素社会の実現に貢献する大きな一歩といえる」と考えている。バイオマス由来ポリマーの研究・開発および、ポリ乳酸(PLA)を中心としたバイオマス由来材料事業の拡大を推進しており、2011年4月から新しい中期経営課題"プロジェクト AP-G 2013"で掲げる「グリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクト」をスタートさせた。その中核をなすのが、バイオマスポリマーの拡大への取り組みである。