アサヒビール：共同配送と共同回収で協働
2011.07.02
アサヒビールは、キリンビールと物流部門での環境負荷の低減および両社のの業務効率化を目指した"協働"の取り組みを、2011年8月29日から開始する。両社が保有する拠点の立地を活かし、東京都の一部エリアでの小口配送（※1）の共同化と、茨城県・埼玉県・長野県・静岡県の4県で空容器の共同回収のテスト展開を行うことで合意した。
この取り組みにより、両社合計で年間のCO2排出量を約196トン（従来比で約22％）削減する。これによる削減量は東京ドーム約8個分（※2）に相当し、具体的には小口配送面で約38トン（従来比約▲30％）、空容器回収面で約158トン（従来比約▲20％）となる。小口配送の共同化については、両社にとって最大の市場である東京都で小口配送による配送拠点を相互活用し、配送距離の短縮・積載率の向上・車両回転率の向上を実現することで、環境負荷の低減を目指するもの。
また空容器の共同回収では、これまで両社が配送ごとに荷量が少なくても実施していた空容器回収を役割分担する。これにより、回収車の積載効率を向上させるとともに、商品配送後の空き車両に一般貨物を計画配車することで、環境負荷の低減を目指するもの。対象空容器はビールの空瓶や空樽、飲料の空瓶、炭酸ガスボンベ、パレットである。両社の製造拠点が比較的近くにある茨城県と愛知県の工場出荷エリアとなる茨城・埼玉・長野・静岡の4県の一部地域からの空容器の回収を共同で行う。
両社は市場では競合として公正な競争を展開する一方で、世界的に関心が高い環境問題に対して、環境にやさしく経済性の高い物流の共同展開を行う。「競争と協調」の視点から、既存の枠組みを超えた協力体制を構築することで、更なる持続可能な社会への貢献を目指していく考えである。
※1）通常は工場から10トン車以上の大型トラックで卸店に配送を行っているが、一部の地域では2〜4トン車の小型トラックで複数の小売店に置き回り配送しているケースがある。
※2）エコ樹木換算にすると杉の木1万5075本が1年間に吸収する量と同程度となり、植林面積にして約36万6000平方メートルとなる。（出典：環境省・温室効果ガス排出量算定方法検討会）
