味の素:欧州で食品事業体制再編
2011.07.15
味の素は、これまでのアミノ酸・インダストリアル事業が主であった欧州での食品事業強化に向け、事業体制を再編することを発表した。再編の内容は、欧州味の素食品社(AFE)での欧州味の素コンシューマープロダクツ社(ACPE)の吸収合併、AFEロンドン支店の設立、AFEのポーランド味の素社(APO)の子会社化である。同社では、欧州アフリカ地域のアミノ酸等も含めた全事業の売上高885億円(2011年3月期)を今後3年間で1000億円超とすることを目指す。
今回の再編は食のグローバル化や健康意識の高まりともに中華・和食などのアジア系エスニック外食市場が伸長している欧州で、コンシューマー食品事業を強化するための施策である。これまでの欧州食品事業は、AFEが主にインダストリアル事業(加工用)を、ACPEが西欧のコンシューマー事業(外食用、家庭用)を、APOがポーランドでのコンシューマー事業(即席麺製造販売)を行ってきた。それを、AFEがインダストリアル事業とコンシューマー事業を一括して事業運営を行うものだ。
現地向け商品の開発部署をAFEに新設して開発体制を強化し、欧州の中華エスニック最大市場である英国にAFEのロンドン支店を設立して販売体制の強化を図る。APOはAFEの子会社として東欧市場でのコンシューマー事業、および西欧市場向け粉末混合系調味料と即席麺の供給基地の役割を担う。
これにより機動的な意思決定と効率的な事業運営を実現し、顧客ニーズに対応したきめ細やかな"現地密着型営業"により、成長する中華・和食をはじめとするアジア系エスニック外食市場への取り組みを強化する。将来的には、イスタンブール味の素食品販売社などとの連携により東欧やトルコ、中央アジアの市場開拓も推進していく計画である。