日本ハム:検出キットが厚労省通知に収載
2011.07.25
日本ハムの中央研究所が製造・販売する腸管出血性大腸菌が産生するベロ毒素の検出キット「NHイムノクロマトVT1/2」が、厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課長通知「腸管出血性大腸菌O111の検査法について」(平成23年6月3日食安監発0603第2号)に収載された。
「NHイムノクロマトVT1/2」は、増菌培養した培養液をポリミキシンB処理後、試料溶液をキットに滴下し赤紫色のラインの有無を確認することで、ベロ毒素産生性を検査するキットである。特別な技術を持たなくても簡便に短時間で検査を行うことができる。
腸管出血性大腸菌が原因となる食中毒では、それらが産生するベロ毒素によって、激しい腹痛と下痢を発症し、まれに血便を呈することもある。また重症例では、溶血性尿毒症症候群や脳症など合併症を引き起こし、死に至る場合もある。国内では、腸管出血性大腸菌感染症患者数はO157、O26、O111の順に多く、平成18年11月には腸管出血性大腸菌O157及びO26の検査法が通知された。
また2011年春発生した食中毒事例を受けて、腸管出血性大腸菌O111についても検査法が通知された。腸管出血性大腸菌はベロ毒素の産生性によって確定されるため、上記3種類の腸管出血性大腸菌の検査において、ベロ毒素産生性の確認が必要となる。
「NHイムノクロマトシリーズ」は、抗原抗体反応と毛細管現象を組み合わせたイムノクロマト法を用いて食中毒菌等を検出するもので、「NHイムノクロマトVT1/2」の他にも、大腸菌O157、O26、O111、サルモネラ、リステリア、カンピロバクターの検査キットをラインナップしている。