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BSIグループ:食品包メーカー向け新規格「PAS223」の邦訳版

2011.08.17

n_20110817_10.jpg BSIグループジャパンは、食品包装材メーカー向けの新規格である「PAS223」の邦訳版(16,800円)を発売する。日本だけでなく、ドイツや中国などの国々でも近年、深刻な食品安全の問題が起きている。このため、食品のリスク管理の手法としてISO22000(食品安全マネジメントシステム)などが注目されてきたが、2008年ISO22000の前提条件プログラムを強化した「PAS220」(食品製造者向けの前提条件プログラム)が、BSI(英国規格協会)から発行された。
 だが、ISO22000でフレームワークを確立し、前提条件プログラムとしてのPAS220でプロセス管理に力点を置いて食品を製造するだけでは、消費者に届けられる食品の安全性を担保することはできない。食品の安全性は、包装(パッケージ)の信頼性に依る部分が多いからで、例えば完全密閉度が不十分だと、病原菌の侵入や腐敗菌の繁殖、加水分解など流通中に重大な影響を与えてしまう可能性がある。
 「PAS223」は、この食品包装材についての前提条件プログラムを規定しており、2011年7月1日に、BSI(英国規格協会)から発行された。BSI(英国規格協会)は、SSAFE(Safe Supply of Affordable Food Everywhere)からの依頼を受け、食品包装材メーカー向け を策定した。またSSAFEの主要なメンバーであるダノンやクラフト、ネスレ、テトラ・パック、コカ・コーラ、ユニリーバのような、日本でも知られるメジャーな包装材メーカーや食品メーカーが、PAS223の策定に関わっているので、国際的に幅広いコンセンサスを得られた規格となっている。
 GFSI(国際食品安全イニシアチブ)の食品包装資材に関する認証についてのガイドラインにも沿っており、将来、GFSI承認の食品安全の認証スキームの一部になることが確実視されている。そのため、大手食品・飲料メーカーでは、PAS223を取引の要求事項とすることも検討されている。
 BSIジャパンは、食品のサプライチェーンに関わる組織の人たちからの強い要望に応え、食品のサプライチェーンでの信頼性の向上のため、消費者に安全な食品を届ける仕組みをサポートするために、PAS223の邦訳版を発売するものだ。購入等については、BSIジャパン書籍販売のWebページ(http://www.bsigroup.jp/standards)から。