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ニュースフラッシュ

凸版印刷:オートクレーブ滅菌対応のICタグ

2011.09.01

 凸版印刷は、医療・医薬分野の滅菌工程で利用されるオートクレーブ滅菌に対応した樹脂製ICタグを開発した。2011年9月上旬より評価用サンプルの提供を開始する意向である。今後、医療器具・器材メーカーと共同で実証実験を行い、ニーズを取り入れながら改良を加え、2011年12月の量産化を目指す。関連ソリューションを含めて2012年度には15億円の売り上げを目指している。
 今回開発したのは、利用用途に合わせて超小型コインタグ(直径6.5mm×厚さ2mm)、コインタグ2種、ラベル型タグの計4品種である。超小型コインタグで10万個オーダー時には1個約180円となる見込みだ。オートクレーブ滅菌は、高温・高圧・高湿の環境下で滅菌を施す処理方法で、短時間に化学物質などを使用せず滅菌処理できることから、医療器具・器材などを滅菌処理する方法として一番多く用いられている。
 同社では、これまで培ってきたICタグの設計・加工技術を活用し、オートクレーブ滅菌に耐性を持つインレット部品を開発したもの。ICタグの外装材にソルベイアドバンストポリマーズ社(ソルベイ社)のオートクレーブ滅菌に耐性を持つ特殊樹脂※を採用しており、成形方法を改良することにより、通常のICタグと同等の性能を持つ、オートクレーブ滅菌に対応したICタグの製品化を実現したものだ。
 オートクレーブ滅菌処理を必要とするメスやピンセットなどの医療器具や医療用ガーゼなどの医療器材、医療従事者用ユニフォームは、医療事故防止や感染防止を目的にその使用履歴や滅菌履歴、数量の管理を行う必要がある。現状は、バーコードによる個品識別や人手による数量の管理作業が行われているが、機器使用後の表面汚染によってバーコードの読取率が低下するほか、作業負荷が増加するといった課題があり、非接触で読み取り可能なICタグを用いた管理手法が求められてきた。
 今回、医療器具への使用で実績のあるソルベイ社の樹脂「レーデル」をICタグの外装材に採用し、ICタグのアンテナ設計や製造方法を活用することで、オートクレーブ滅菌に対応したICタグを開発したものである。
 
※134℃、3.0気圧、湿度100%の高温・高圧・高湿によるオートクレーブ滅菌処理(30分間)の耐久試験(100回以上)を実施、ICタグの性能に異常が無いことを確認済み。