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ニュースフラッシュ

ヤマサ醤油:醤油やつゆ類の充填・包装設備した新工場

2011.09.01

 ヤマサ醤油は、国内2番目となる成田新産業パーク(千葉県成田市)内に建設を進めてきた工場が竣工となったことを発表した。醤油醸造工程などは銚子本社工場に残し、新工場ではつゆ・たれの製造及び醤油やつゆ・たれ類の充填・包装を行うものだ。また製造工程に直結した物流センターが併設され、同社のロジスティックの中核拠点として稼動する。稼動は2011年9月12日となる予定である。
 同社では1645年の創業以来、千葉県銚子市で醤油を始め各種調味料などの製造を行ってきたが、近年は製造販売する品種が著しく増加し、多品種生産のなかで生産性を向上させることが大きな課題となっていた。しか銚子工場のリニューアルでは課題の克服は困難であり、理想的な次世代設備を目指として生産性の向上と製品の安全安心の確保を同時に実現できる新しい工場の建設に踏み切ったものだ。
 立地では、広い施設の建設できる余裕ある土地が確保し、また液体調味料の製造に適した質の良い水が豊富に利用できる場所として「成田新産業パーク」を選定したもの。成田は地理的に大消費地である首都圏と銚子の中間に位置し、銚子で醸造した醤油を充填・包装し、消費地に配送するには最適の場所である。また新工場は製造拠点と物流拠点とが直結されており、顧客からの多様な物流ニーズにも迅速に応えることができる。
 成田工場では、全ての製品から製造工程や使用された原料にいたるまで追跡が可能な、2次元コード(QRコード)を使用したトレーサビリティーシステムを導入している。2次元コードにすることで製造日・製造時刻や賞味期限はもちろん、製造の各工程での詳細な情報を記録することが可能となった。完成した製品にはケースごとにQRコードをプリントし、当該製品の製造プロセスの状態や一次出荷先を確実に把握できる管理システムである。また製造工程での原料の誤投入防止や原材料の使用期限管理にも2次元コードを活用している。
 近年は過失による食品の汚染に備えるだけでなく、食品に対する意図的な異物混入などから食品を保護し、食品の安全を確保するというフードディフェンス(食品防御)に対する関心が高まっている。新工場ではタンク類などの施錠設備やカメラによる24時間の工場内監視体制を備え、またICカードを利用して従業員でも工場内の許される区域しか立ち入ることのできないアクセス制限を設けるなど、最新のフードディフェンス機能を設けている。
 多品種の生産を効率的に行うことを可能にするため、様々な新しい試みを具現化しており、たとえば詰ラインの型替時間の思い切った短縮化など、小ロットでも収率の低下を最小限に止めるよう設計された液体移送ラインなどがある。小さいロットから大きいロットまで無駄なく生産することを可能にし、それも顧客ニーズに応えようとする試みの1つである。
 また製造された製品を工場内に直結した倉庫に保管し、受注に応じて配送単位ごとに払出・出荷できる配車及び在庫・出荷管理システムを導入したことで、誤配送を未然に防ぎ、ピッキング効率を向上させ、さらなる物流品質の向上を図れるようにした。さらに二酸化炭素排出量が少ない液化天然ガスを使用するとともに徹底した熱回収を行うことで、環境に優しい施設として運用する。例えば配管洗浄に利用した熱湯をリサイクルするとともに、排水する際にはその熱を回収し、工場全体のエネルギー効率を高めるなど、隅々まで環境に配慮した設計になっている。