ポリプラスチックス:環状オレフィンコポリマー包装用グレード
2011.09.23
ポリプラスチックスは、環状オレフィンコポリマー「TOPAS」を製造販売する関連会社のTopas Advanced Polymers GmbH(ドイツ・フランクフルト)と共同で、加工特性を改善した包装用の新グレード「9506F-500」を開発した。高純度で無色透明のポリマーである環状オレフィンコポリマーは、その特長を生かし光学用途や医療材料として利用されている。
水蒸気バリア性や高剛性、真空成形での低偏肉、シュリンク特性やPEとの親和性など多くの特長を持ちつつ、押出成形に適した樹脂であることから包装材料としても活用が期待されてきた。一方近年、食品包装分野では内容物の保護性能を高めることや長期保存性の向上などが求められており、高付加価値化の流れから易開封性、良外観性なども求められるようになってきた。
しかしながら「TOPAS」の従来グレードでは加工条件によってはゲルが発生するという問題があったことから今回の開発に至ったものだ。ポリプラスチックスでは、これまでの標準グレードである「9506F-04」が持つ「ガラス転移温度が低い」「溶融粘度が高い」といったインフレーションフィルムなどの押出成形に適した特長を保持しつつ、押出し時の加工特性を改善し、色々な加工条件に対応可能な押出加工用グレード「9506F-500」を開発したものだ。
「9506F-500」は、FDA(アメリカ食品医薬品局)の試験規格やポリオレフィン等衛生協議会の自主基準に適合しており、環状ポリオレフィン系としては低いガラス転移温度(Tg)レベルに位置し、オレフィン系シュリンクフィルムの基材として低温かつ高シュリンク設計が可能となる。さらにポリエチレンを中心とした汎用オレフィンにブレンドすることで、高剛性や易カット性などの特長が付与される。さらにフィルムの多層化などにより「TOPAS」の高水蒸気バリア性やヒートシール特性、アルミ蒸着適性を生かした高バリアフィルムへの採用も期待されている。