参天製薬：フランスの製薬会社を買収
2011.09.29
参天製薬は、フランスの製薬会社であるNovagali Pharma S.A.の発行済株式の約50.55％を取得することで、Novagali社の株式保有者と株式譲渡契約を締結した。また株式取得後、同社は合意内容およびフランス金融市場庁（AMF）の規則に基づき、Novagali社の公開買い付けを実施し、株式取得およびその後の公開買い付けを通じて、Novagali社の発行済み株式の100％の取得を目指す。
取得価格総額は、1株当たりの買付け価格を6.15ユーロとして、約100.300万ユーロ（約105億円、1ユーロ＝105円）となる予定である。発行済み株式の95％以上を所有することとなれば、取得価格は1株当たり6.25ユーロとなり、取得価格総額は約101.900万ユーロ（約107億円）となる予定だ。
Novagali社は、ドライアイ領域を眼科用医薬品の研究開発を展開する製薬企業であり、一般用医薬品の販売も行っている。同社ではその高い研究開発力と製剤技術力に着目しており、特にNovagali社が保有する、Novasorb技術（※）を含む優れた製剤技術を獲得する事により、開発品の臨床効果の向上を図ることが可能となる。
また、現在開発中のCyclokatR「シクロスポリン」は、前述のNovasorb技術を使用した、ドライアイ領域では世界的に数少ない後期開発品であり、今後、欧州市場での初の医療用ドライアイ治療剤としての上市が期待できる。同社では、これにより重点地域とする欧州を含む海外事業の強化が図れると考えている。
同社は1890年の創業以来、眼科とリウマチ領域に特化したスペシャリティー・カンパニーとして、人々の目と体の健康維持・増進に寄与してきた。2013年度を最終年度とする中期経営計画で、「世界で存在感のあるスペシャリティー・カンパニー」の実現を目指し、事業のグローバル化および研究開発投資を重点項目として掲げている。Novagali社の有する研究開発パイプラインと製剤技術を獲得により、ドライアイ領域でのパイプラインの強化と製品競争力の向上を実現し、事業基盤を強化することができるものと考えている。
（※）乳化点眼剤に正電荷を付与する技術で、それにより薬剤の眼表面滞留性と眼内移行性を高めるためのもの。
