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ニュースフラッシュ

東レ:世界初の完全バイオマス原料由来PET

2011.11.17

 東レは、バイオ燃料のリーディング企業であるGevo社(米国コロラド州)が合成した完全バイオパラキシレンを原料として、世界初の完全バイオマス原料由来ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維」の試作に成功したことを発表した。Gevo社は、バイオマスを原料とし、独自の先端遺伝子技術で改良した微生物を用いた高効率製造プロセスにより製造したバイオイソブタノールから、商業生産に使用されている化学変換反応によるパラキシレンの合成に成功している。
 同社は2011年6月、この再生可能なバイオマス原料由来のパラキシレンから自社技術により誘導されたテレフタル酸と、市販のバイオエタノール由来のエチレングリコールを原料とした完全バイオPETの重合に成功している。また、これにより得られたバイオマス由来PETは、石油由来PETと同等の特性を有していることも確認している。この新規技術を更に深化させて、世界で初めて完全バイオマス原料由来PETの繊維化に成功したものだ。
 PETは、最も生産量の大きい石油化学製品の1つであり、これを原料とするポリエステル繊維は世界で年間約4000万トン生産されている。また、ポリエステル繊維は生活や産業のいたるところで使用されており、同社でも主力製品の1つとして国内外で生産販売している。
 今回の試作は実験室レベルだが、バイオマス原料のみからなるポリエステル繊維の製造が可能であることを証明したことは、持続可能な低炭素社会の実現に貢献する大きな一歩といえる。同社では、今回試作した「完全バイオマス由来PET繊維」を、2011年12月に開催される「エコプロダクツ2011」に出展する予定である。