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ニュースフラッシュ

コーセー:ブロードスペクトラム日やけ止め化粧料を開発

2012.01.06

 コーセーは、これまでより広い波長域で、かつ高い紫外線防止効果を持つ"ブロードスペクトラム(幅広い紫外線吸収スペクトルをもつ)日やけ止め化粧料"を開発した。この日やけ止め料を、研究用製剤として京都大学大学院医学研究科皮膚生命科学講座皮膚科学分野を中心とした研究グループに提供したところ、同研究グループが実施した臨床試験の結果から、光線過敏症患者の疾患予防に対する有用性が実証されたものだ。
 同社は新たな事業領域への取り組みとして、「医療(美容医療)分野との関係深化」を掲げ、「化粧品の有用性実証」「QOL(Quality of Life)向上」「健康科学」の視点からの新たな研究開発テーマに取り組んでいる。一方で近年、紫外線の中でも特に、UV−A波長の紫外線が肌に及ぼす影響が注目されており、日やけ止め化粧料によるUV-A波長の紫外線防御の取り組みが、欧米をはじめ日本でも活性化する動きが認められている。
 同社では、健常人では変化を起こさないようなわずかな量の日光を浴びただけで皮膚に異常な反応を生じてしまう疾患である、光線過敏症患者のQOL向上へ向けた取組みとして、"ブロードスペクトラム日やけ止め化粧料"の開発に向け、検討を行ってきたものだ。
 今回開発した"ブロードスペクトラム日やけ止め化粧料"は、従来よりもUV-A領域に強い吸収能を持つ紫外線吸収剤をバランスよく組み合わせて製剤化することで、広い波長域の紫外線を防御する効果を付与した日やけ止め料である。臨床試験の結果、多くの患者に対して有用性が認められ、光線過敏症患者の発症予防に有用な製剤であることが証明された。この日やけ止め料の特徴であるUV-A波長の紫外線の防御能力の高さが、一部の患者に対して顕著な効果をもたらす結果を得ている。
 今回の研究成果により、同社が開発した日やけ止め化粧料では、従来から認められていた健常人の皮膚の日やけ防止という効果に加えて、光線過敏症患者の疾患予防という効果が示される。日やけ止め化粧料の使用対象が広がるとともに、光線過敏症に悩まれている方のQOL向上にも資することのできる可能性がある。
 同社では、この"ブロードスペクトラム日やけ止め化粧料"の製剤技術を応用して、従来の日やけ止め化粧料に比べてUV-A波長領域の紫外線の防御効果を向上させ、広範囲にわたって紫外線防御効果を発揮する新たな日やけ止め商品へ展開するとともに、医療分野での活用などを検討している。