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ニュースフラッシュ

岩谷産業:30%植物由来原料の環境配慮型樹脂

2012.02.02

 岩谷産業は、2010年から開発を進めてきた植物由来の原料を使用したPET樹脂(バイオマスPET)の市場投入を本格的に開始する。PET樹脂の粗原料である石化由来のモノエチレングリコール(MEG)をサトウキビの搾りかす(廃糖蜜)を原料とした植物由来のMEG(バイオMEG)に置き換えたもので、これにより化石資源の利用低減および焼却処分時のCO2排出量削減が可能となる。
 同社では、バイオMEGをインドから調達し、世界最大のPET樹脂メーカーであるインドラマ・ベンチャーズ(タイ)でPET樹脂を製造し、アイテムによって最終製品の加工まで一貫して行うこととなる。まずは大日本印刷と共同開発するフィルム分野で、包装材用途として量産を開始する予定である。「バイオマスPET」はフィルムやボトル、シート、繊維などの幅広い用途を対象に販売を行い、同社では2015年度には40億円の売上を見込んでいる。
 顧客の要望に基づき、植物由来分の含有率を30%に固定することができ、従来の石油由来PETとブレンドすることでコストを抑えることも可能にとなる。また石油由来PETと同等の物性値(引張強度、耐衝撃性、耐熱性、透明性など)を有しており、従来設備での印刷および成形加工が可能となる。今後は耐熱や耐寒衝撃グレードなどのラインナップも検討していく考えである。