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DIC:中国にパッケージ用インキのマザープラントを建設

2012.02.27

 DICは、中国江蘇省に環境対応型パッケージ用インキのマザープラントを建設する。中国内の飲料・食品などの軟包装材印刷用途を中心に、環境・安全・品質を重視した製品を提供していく考えである。新プラントは同社子会社である「南通迪愛生色料」に増設するかたちで、10700万人民元(約13.7億円)を投じ、2012年2月の着工で試運転を経て同年12月には稼動の予定である。
 パッケージ用インキは、飲料・食品などの軟包装材の印刷用途に用いられ、景気変動を受けにくい分野として、先進国でも堅調な需要の推移がみられる。成長地域では需要が大きく伸びており、特に13億以上の人口を擁する中国の潜在需要は大きく現在の20万トン(パッケージ用リキッドインキ)の需要が、2020年には35万トンに増大することが見込まれる。
 また中国でも環境・安全への関心が高まっており、同新プラントではトルエンやケトンフリーの環境安全重視のパッケージ用インキの供給能力を整え、磐石な環境対応体制を確立する意向である。南通迪愛生色料は、現有の生産設備により、広範な中国国内に枚葉インキと有機顔料を供給するマザープラントとして、すでに重要な位置づけにある。同新プラントで生産されるパッケージ用インキの原材料となる有機顔料の一部は、同一工場内で調達されることとなる。
 将来的には主要原材料の1つであるウレタン樹脂も、近隣約50kmに位置する同グループの合成樹脂生産拠点「張家港迪愛生化工」から高品質品が安定供給される予定であり、生産効率の高い立地となっている。生産工程では最新の生産技術を導入し、生産効率と品質の向上を目指すとともに、安全・安心を発信する工場という仕様で、食品包装分野にもっとも重要な製品の安全・安心への徹底を訴求していく計画である。
 新プラントは2012年12月の稼動開始後は段階的に生産規模を拡大し、最終的に年産4万5000トン規模となる予定である。これにより、同社グループ合計の中国地域内ではパッケージ用インキの生産能力を現在の2万5000トンから年産約7万トンに、市場シェアを現在の10〜20%に引き上げることを目指している。