サッポロ:米最大手PBチルド飲料メーカーの株式51%取得
2012.02.16
サッポロインターナショナルは、豊田通商グループのトヨタツウショウアメリカが100%株式を保有する、米国最大手のPBチルド飲料メーカーのシルバー スプリングス シトラス(SSC)の発行済株式の51%を取得するものだ。その株式譲渡する株式売買契約を2012年1月31日に締結した。同グループは、同日本株式51%の譲渡を受けて子会社化した。ビール事業でアジアのトップブランドとしての地位を固めている米国で、飲料事業の本格的な参入に着手するものだ。
譲渡金額は2400万米ドル(約18億円)である。同グループは、創業140周年にあたる2016年をゴールとした「新経営構想」のローリングプラン「グループ経営計画2011−2012」で、成長軌道の確立をテーマに掲げている。その中でサッポロインターナショナルは、基盤である北米と成長著しいアジアを最重点エリアに位置づけながら、「国際酒類事業」から「国際事業」への事業領域の拡大を目指している。同契約により、酒類事業で強みを有する米国で飲料事業の拠点を持ち、北米での事業拡大に着手するものだ。
SSCは、主に米国やカナダで大手組織小売チェーンや大手飲料メーカーを取引先とする、PBチルド飲料の最大手メーカーである。1994年にトヨタツウショウアメリカが100%の株式を取得して以来、「トヨタ生産方式」の導入により生産効率の向上などを軸とした事業を推進し、着実に成長を遂げてきた。
SSCの成長のために、品質のさらなる向上、飲料の製造技術力・商品開発力の強化を検討していた豊田通商グループと、国際事業での業容拡大を検討していたサッポロインターナショナルの経営戦略が一致したものだ。酒類事業で拠点を有する北米で、飲料事業での基盤を確立するためのノウハウや知見の蓄積が可能となることに加え、SSCの安定した利益を確保することで国際事業の更なる成長を目指す。