• ニュースフラッシュ
  • ワールドビュー
  • 製品情報
  • 包装関連主要企業
  • 包装未来宣言2020

トップページ > ニュースフラッシュ > 《動向》欧州包装業界のトレンド

ニュースフラッシュ

《動向》欧州包装業界のトレンド

2012.02.14

 2011年11月16日にミュンヘンで開催された会議「MultisenseForum」は、「包装と感性」といったテーマであった。これからの包装には、触感がますます重要になるとの予想で、それは年齢によって顧客の包装への感覚が違っている。欧州の「ProCarton」(段ボール製造業界組織)の調査によれば、60歳以上の消費者の大多数(63%)が、包装の分かりやすさ、見つけやすさに重点を置くが、25〜35歳の消費者層の93%にとっては、包装のオリジナリティー(独特性)が一番重要なポイントとなっているとの結果であった。
 包装で高級感を訴求する傾向は、特にヘルスケアーや化粧品・香水とアルコール飲料の分野で強い周知で、包装メーカーが包材の表面加工、形や素材に特に力を入れている。欧州業界誌で話題になった、その幾つかの事例を挙げてみる。主に段ボールの包装を開発・生産するEdelmannグループでは、例えば「Wood」と称する香水の小瓶に木製の輪を付け、包装の表面の一部を木製のシートに見えるように加工している。
 また、「真珠」という名前の香水の小瓶では丸く、コンポも半透明の表面加工で真珠のように輝かせる加工を施す。アルコール飲料分野で話題になっているのは、ロシアのWhitehall社が提供するヴィンテージ・ヴォトカ「Kauffmann」である。同包装は、ロシアの包装デザイン賞を獲得したもので、異業種の包装を利用し、香水のような独特な瓶にしている。
 
イギリスで包材のリサイクル率の新規定値を提案
 
 2012年1月に発表されたGVM社の調査によれば、ドイツ国内の包装(素材)の消費量は2010年に1300万tに到達したようだ。その内の12.2%が廃棄ごみで、残りの87.8%はエネルギー生産に利用あるいは物質利用の形でリサイクルされている。しかしドイツだけではなく、イギリスもリサイクルに関して動きがみられ、環境・食料・農村地域省(DEFRA)は、スペルマン大臣の指示に従い、包材のリサイクル率の向上を目的に新しい規定値を提案した。
 2017年までの5年間のタイムスパンで、鋼材のリサイクル率を76%まで引き上げるために、毎年1%の引き上げを目指すというものだ。現時点でまだリサイクル率が32%と低いプラスチック包装の場合、毎年5%の引き上げを目指して、2017年には57%のリサイクル率を達成する。その提案が実現すれば、包装から発生するごみの量を40万トンも削減することができる。
 
欧州主要企業の動き
 
 ドイツのマンローランド社は2011年に倒産手続きを開始し、分割され、それぞれ別のルートで販売されることになった。北ドイツのリューベック市に本社がある混合コンツェルンPossehlグループがマンローランドのアウグスブルク工場を買収(詳細は2012年1月20日のDSMdrupaスペシャル・メール)した。2012年2月の最新ニュースでは、英国のラングレー・ホールディングスがオッフェンバッハ市にあるマンローランド社の枚葉印刷機械工場を購入したことだ。
 同社は、40ヵ国をカバーする枚葉印刷機販売部門も受け継ぐものだ。ラングレー・グループがオッフェンバッハの従業員の内、860人を継続雇用する予定を公表した。ラングレー・グループは17カ国に30社の子会社をもち、合計2500人の従業員を雇用するエンジニアリング・グループである。2011年度の売上高5億ヨーロ(510億円)を達成したグループは、すでにドイツの機械メーカーであるClaudiusPetersグループとPillerPowerSystemsグループを所有している。
 また、薬品・化粧品包装大手のゲレスハイマー社のレルホーフ社長は国際化が進んでいても、本社をデュッセルドルフに残すとともに、これから他社の合併・買収によって売り上げをさらに伸ばしたい考えを示す。世界中に1万人の従業員を持つゲレスハイマー・グループは、2011年度の売上を前年比約7%伸ばしている。長期的には、売上を2010年度の2倍の20億ユーロ(約2018億円)まで伸ばしたいと公表している。
 イタリアの包装機械メーカーCoesiaはグループ企業であるACMA社とVOLPAK社と他社4社を合併させ、売上高1億5000万ユーロ(約151億円)の新企業を構築する。新企業の名前はAcma-Volpakとなり、主要事業は消費品包装である。
 
(メッセ・デュッセルドルフ・ジャパン「欧州包装NEWS」2012年1号より)
http://www.messe-dus.co.jp/fileadmin/newsletters/EuroPackagingNEWS_2012.01.pdf