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越後製菓:深絞り包装による無菌化米飯

2012.02.24

n_20120224_03.jpg 越後製菓は、2011年11月から新潟県内のスーパーで試験販売していた無菌化包装米飯の「日本のごはん」(1袋4食入り希望小売価格298円)を、2012年3月20日から全国のCGCグループの加盟店で販売する。1食120gで従来の多層容器ではなく、PP樹脂単層フィルムでの深絞り包装である。同社では、2012年3月期の売上高170億円程度を見込んでいる。
 従来の多層容器に比べて重量比で約5分の1となるもので、使用樹脂量だけでなく輸送や保管コストの削減とともに家庭ごみの減容化にもつながるものだ。同社では全国展開にあたり、新潟県小千谷工場に専用包装ラインを導入した。ロール供給されたPPフィルム材(120μm)という深絞り成形しながら米飯を充填しトップシールする。医薬品包装で馴染みのあるPTPと同様な仕組みである。
 PPフィルム単体では溶融温度の範囲が非常に狭いため、安定した成形や溶着のコントロールが難しいわけだが、その最適化を約1年かけて研究したという。同社の試算では、75億円販売した場合、従来の多層容器に比べて使用樹脂量が年間1500tほど削減できるとしている。「日本のごはん」は現在1ラインで、1日約6万〜7万食を生産(キャパ10万食)している。同社では、これを機に2ライン目の増設を計画している。将来は10ラインまで増やし、1日約100万食の生産を目指す。
 越後製菓では、「越後のごはん」などの無菌化包装米飯は高圧殺菌処理している。殺菌と同時に、米粒の形状を維持しつつ細胞壁や、アミノプラスト膜などを破壊することで吸水を促進させる。炊飯時には膨潤により糊化度を上昇させ、炊飯時の経時変化で水が粒内へ浸透することを利用したものだ。製造後数か月の商品でも、マイクロ波の加熱で炊飯直後の糊化度を超える高い復元性を有する無菌米飯の製造方法である。