三菱樹脂:UVカット性能を付与した透明ハイガスバリアフィルム
2012.02.01
三菱樹脂は、透明蒸着のハイガスバリアフィルム「テックバリア」シリーズから、アルミ箔に匹敵する水蒸気バリア性(水蒸気透過率10-2レベル)に加え、UVカット性(紫外線吸収機能)を付与した「テックバリア MX」を開発し、2012年2月1日から発売する。ハイバリア性能とUVカット性能が要求される医療・医薬品、精密機器部品分野の包装材として拡販していく意向である。同社では5年後には30億円の売り上げを目指す。
「テックバリア」は、プラスチックフィルムの上にシリカを真空蒸着させて、水蒸気バリア性と酸素バリア性を付与した透明蒸着のハイガスバリアフィルムである。アルミ箔の包装材と異なり透明であるほか、金属探知機や電子レンジ(マイクロ波)などを利用できる。これにより医療や工業、食品、化粧品などの包装材や、太陽電池のバックシート部材など、幅広い分野での利用が期待される。
「テックバリア MX」は優れた蒸着技術により、「テックバリア」シリーズでは最高水準のバリア性である水蒸気透過率0.05(g/[m2・day]、40℃/90%RH)、酸素透過度0.8(ml/[m2・day・MPa]、25℃/80%RH)といったアルミ箔に匹敵するバリア性を実現しつつ、ベースフィルムの改良などにより、従来品と比べて長波長領域の紫外線を大幅に遮断できるものだ。これまで以上に内容物の長期保存が可能となる。
医療分野では、医療品・医療器具などの誤使用などの医療過誤防止、分包顆粒薬の飲み残しなどの確認、外包装をRSSコード貼り付け工程省略などのメリットがある。また工業分野でも、内容物が容易に確認できることによる作業効率の向上などが期待できる。