王子製紙:カンボジアに段ボールの新工場建設
2012.03.06
王子製紙はカンボジアに現地法人を設立し、シハヌークビルに総額12億円を投じて新たに段ボール工場を建設することを決定した。同社グループは、順調な経済発展が進む東南アジア諸国でパッケージング事業の拡大と強化を推し進めている。今回のカンボジア新工場の建設で、カンボジア国内に2ヵ所、東南アジアでは15ヵ所の段ボール製造拠点を有することになる。
今後はこれらの拠点間の連携を強化し、顧客サービスの向上と競争力強化とともに、東南アジアでのグループ事業の展開を進めていく考えである。近年、カンボジア経済は他の東南アジアと同様に急速な成長をみせており、同社のプノンペン拠点でも2004年の設立以来順調に業績を伸ばし、すでにフル稼働に近い状態となっている。
また、プノンペンおよびシハヌークビルを中心とした産業都市では、工業団地の開発も急速に進められている。特にSihanoukville Port工業団地は国内唯一の国際深水港を持つシハヌークビルに立地することに加え、日本国政府ODA事業として高水準のインフラが整備されている。今回の新工場建設で、カンボジア国内の経済成長に伴う既存の顧客の段ボール需要増大に対応することが可能となる。また今後の国内外からの事業進出による段ボールの新規需要にも対応することができるものだ。
カンボジアの物流集積地であるシハヌークビルに新たな製造拠点を構えることで、原材料調達面でもグループのネットワークを活用した競争力のある事業となることが期待される。