古川電工:リサイクルPETの発泡成形体を開発
2012.04.04
古川電工は、環境負荷低減と軽量化を目的に、リサイクルPETフレークを原料とした発泡成形体を開発した。同発泡成形技術を用いることで、既存のPP樹脂の成形品よりも軽く、かつ硬くすることが可能である。現在、プラスチック容器や家電製品などに幅広く使用されるPP樹脂成形品の代替として、製品化していく予定である。
PETボトルの年間販売量は59万5000トンで、回収量は42万9000トン(2010年)である。しかしながら、その使用用途は再生材として繊維などにリサイクルされている一方で、かなり限定されているのが現状である。同社では、そのPETボトルを粉砕したリサイクルPETフレークを原料として、2倍まで発泡させる発泡成形体を開発したものだ。
リサイクルPETフレークを使用した発泡成形体は、軽量性と高剛性を実現し、3次元形状に対応した精度のある成形体をつくることも可能である。また発泡には化学発泡剤を使用せず、有害なガスや化学発泡残渣が残ることがなく、環境特性にも優れている。発泡倍率の変更や強化材の配合により目的に合わせた剛性の調整も可能だ。
例えば、従来のPP樹脂製であった成形品をリサイクルPETの2倍発泡品に置き換えることで、約30%の軽量化が可能となる。この場合、剛性はPP樹脂の80%程度が維持できる。またリサイクルPETのほかに、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂などのスーパーエンジニアプラスチックや、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂などの汎用エンジニアプラスチックにも適用可能である。