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ニュースフラッシュ

凸版印刷:リサイクルPETフィルムのラミネート包材を開発

2012.04.26

 凸版印刷は、メカニカルリサイクルPETフィルムを貼り合わせた環境配慮型ラミネート包材を開発した。これは、世界で初めての試みとなるものだ。トイレタリー分野の詰め替えスタンディングパウチや、食品・医薬品包材などを中心に展開する意向で、2012年5月上旬から販売を開始する。
 同製品に使用したラミネート用メカニカルリサイクルPETフィルム「サイクルクリーン」は、同社と東洋紡が共同で開発したものである。同PETフィルムは、リサイクル樹脂の使用比率で80%という世界最高レベルを実現している。非再生PETフィルムに比べ、素材製造段階までのCO2排出量を約40%削減できるという。
 また同社の持つコンバーティング技術により、再生原料を使用しながら、衝撃強度、引張強度および貼り合わせ強度など各種物性で、非再生PETフィルムを使用した場合と同等の性能を保持する。今後も、同社では持続可能な社会の実現に貢献するため、環境に配慮した製品開発の推進に力を入れる考えである。
 これまで再生PETは、回収されたPETボトルを洗浄・粉砕したものをそのまま原料として使用していたために不純物などが多く混入し、衛生面で課題があった。衛生的で高品質なメカニカルリサイクルPET樹脂を用いた再生PETボトルや、再生PETラベルなどはあった。だが、PETボトルに使用されていた樹脂からラミネート用の薄いフィルムを製造するのは技術的に難しく、これまで他素材のフィルムと貼り合わせた包材に使用できるような再生PETフィルムはなかった。
 同社は循環型社会の実現に貢献するため、これまでパッケージ製造で培ってきた加工技術により、メカニカルリサイクルPETフィルムを用いたラミネート包材を開発したものだ。一般的に、メカニカルリサイクルPETフィルムは非再生PETフィルムに比べて4割程度割高だが、貼り合わせる素材の見直しや工程の合理化により、同製品は製造コストを1〜2割程度の上昇に抑えている。
 同社では今後、同製品のバリア性の向上や包材の薄膜化を推進し、メカニカルリサイクルPETフィルムを用いたラミネート包材の製品全体で、2015年度に20億円の売上を目指す。