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トーホー加工:フレキソ印刷で最優秀賞

2012.04.11

n_20120411_05.jpg トーホー加工は、アジアフレキソ技術協会(AFTA)主催の「Packaging Excellence 2011 Awards」に昨年(2011年)初参加し、ミドル幅フィルム部門で金賞を受賞した。同時に、フレキソ印刷の全作品の中から選ばれる最優秀賞「Best of Show」を受賞したものだ。これは、AFTAに2011年の最高品質と認められたものである。2012年2月10日にタイのパタヤで開催された授賞式に、同社の関係者が出席し、賞状とトロフィーが授与された。
 同社が「Packaging Excellence 2011 Awards」に初参加するきっかけとなったのは、2010年にソーマ・エンジニアリング社製のミドル−ワイド幅フレキソ印刷機を導入したことである。これまで、長くグラビア印刷を手掛けてきた同社が初めて、水性フレキソ印刷への取り組みを始めたものである。いうまでもなく水性フレキソでは後発となることから、"フレキソならではの価値"を追求し、フレキソ製版メーカーの精好堂とインキメーカーの大日精化工業、そしてソーマ印刷機国内販売代理店のハイデルベルグ・ジャパンとによるプロジェクトとしてスタートしたようだ。
 "フレキソならではの価値"の追求では、まず「デザインから入りました」と同社・代表取締役会長兼社長の川田善朗氏は語る。化粧品のセールスプロモーション用パッケージを想定し、ハンドファスト・代表取締役の三輪万寿夫氏にデザインを依頼した。フレキソ印刷の特性などを三輪氏に伝えることで、"フレキソ的なデザイン"を仕上げたことが今回の受賞につながったに違いない。
 イギリスの詩人であるウィリアム・ワーズワースの詩「A Rainbow」をモチーフにしたデザインで、作者の肖像と印刷表現であらゆる「色彩」をオーバーラップさせ、様々な表現バリエーションに挑戦している。深みのある黒、淡い色、彩度の高い色、極小文字のシャープさ、滑らかなグラデーション、きめ細かな写真の階調などが表現されている。三輪氏は「フレキソ印刷の持つ可能性を引き出す挑戦です」と語る。
 従来のフレキソ印刷の版は枚葉だが、同プロジェクトでは初めてカートリッジ式のスリーブ状の版が用いられた。これが、「印刷での再現性の向上に貢献しました」と精好堂・代表取締役社長の島崎憲冶氏は語る。こうした"フレキソならではの価値"を追求した、それぞれ1年10ヵ月に及ぶ奮闘努力によって、でき上がった印刷サンプルである。
 トーホー加工の川田氏は、「これまでグラビア印刷を手掛けてきた上で、当プロジェクトによってフレキソ印刷の深さと美しさを実感できました。今回では引き出せなかった可能性がまだまだあると思います」と語る。デザインについてはもとより、セッティングの容易さや版の耐久性などについてもグラビア印刷にはない利点があるようだ。「フレキソ印刷は小ロット用」というのが通念とされてきたが、「例えば版の寿命もグラビアの5倍以上」と川田氏は言う。今後のフレキソ印刷のパッケージ(軟包装)への展開が楽しみである。
 
(※)アジアフレキソ技術協会(Asian Flexographic Technical Association:AFTA)は、ASEAN地域を中心に13カ国・約600社が加盟する団体である。「Packaging Excellence 2011 Awards」はそのAFTAが主催し、アジアで印刷されたパッケージ/ラベル製品の中から優秀作品を表彰するコンテストである。
 第10回目となる2011年のコンテストは、フレキソとグラビア、ラベルの3部門から構成され、それぞれAFTA、AGA(Asian Gravure Association)、ALA(Asian Label Association)から選出された審査チームが、企業・国籍などの影響を排除するための審査ルールを適用して受賞判定を行った。
 フレキソ印刷部門はナロー幅とミドル幅、ワイド幅のそれぞれに紙とフィルムの部門があり、液体容器/カップ、段ボールの2部門を加えた合計8部門で、金、銀、銅の上位3賞が選ばれ、さらにフレキソ印刷全部門の中から最高品質となる最優秀賞が選出された。